1970年代~
オンプレミズLAN
デスクトップパーソナルコンピューター
大量生産、大量消費により、規模の経済を働かせ、同品質の財やサービスをなるべく長期間に渡り提供するために、重厚長大な敷地、建物、工作機械とともに、サーバ、デスクトップコンピューターが閉鎖されたLANに次々と構築されました。
この期間に急成長した企業
IBM, HP, AT&T, NTT
1990年代
オンプレミズWAN
インターネット
世界初のWebページとして1991年「World Wide Web」誕生。1995年のWindows95の登場により、インターネット、ソフトウェアOSが世界中のハードウェアを繋げたソフトウェア制御による企業システムを構築し始めました。ここでこれまでのような土地やハードウェアを中心とした集約型の企業集団から、インターネットをベースとした分散型の企業集団へと覇権が移り始めました。
この期間に急成長した企業
Microsoft, Oracle, Salesforce
2000年代
SoftwareDefinedNetwork
クラウド、マイクロサービス、オープンソース
世界中に海底ケーブルネットワークが張り巡らされ、データセンターでは、ユーザーは背後でサーバーが故障したり廃棄され交換されていることに気にすることなく可用性とセキュリティを担保されたパブリッククラウドを利用できるようになった。IaaS上にサービスが組み立てられるようになる。プログラムのコードをゼロから開発することはなくなり、Githubなどの公開レポジトリやオープンソースコミュニティで企業の社員だけではない、業界に属するボランティアがプログラミング言語を自助拡大するエコシステムが形成されるようになり、管理された言語圏を駆逐するようになった。
Alphabet(Google), Meta(Facebook), Amazon
2020年代
ArtificialNeuralNetwork
XaaS、サブスクリプション
2000年代のクラウドインフラストラクチャは、企業が用いるあらゆるサービスやAPIを、従量課金で少しずつから使い始められるスケーラブルなサブスクリプションサービスに変化させていき、企業は数百あるサービスを、市場環境の変化に合わせて統廃合し、事業を組み立てるようになった。また、コンピューティングは物理学やライフサイエンスと融合し、投資収益を生み出す一連の公式はアルゴリズムとして自動学習され(ANN)、情報整理の枠組みが、企業の競争優位性の源泉となる。これまで不可能だと言われていた複雑で膨大な調達加工過程をもつ産業ですら垂直統合されうるようになり、自動車、発電、航空宇宙をはじめとして、旧産業にも大きなプレイヤーの転換が起き始めている。
NVIDIA, Tesla、SpaceX
Modularity demands of modern entreprise
Modularityとは、GAASの設計思想の背景にある重要な有機体構成概念です。ある構成要素を変更した場合、他の構成要素に及ぼす影響が最小限で済むように、企業の業務単位をパッケージ化されたプログラムで分類し、M&A(バイ、セル双方)などの統廃合や、工場などの生産拠点の複製、廃棄、あるいは営業組織などの速やかな拠点進出や閉鎖にも柔軟に、即日(数週間以内)で対応できるような、数十、数百のマイクロサービスで構成された法人運営の手法を指します。
Modularity ecosystem
モジュラー化されたコンポーネントの一つ一つは、互いの進化の影響を受けつつも、それ自体が独立した細胞に分類されており、相互に依存関係を持たずに各々進化していきます。それはあたかも、現実世界における種の保存と同様、全世界の既知の総種数は約175万種あり、このうち、哺乳類が約6,000種、鳥類が約9,000種、昆虫が約95万種、維管束植物が約27万種あったとしても、それぞれの進化のインフラストラクチャベースは宇宙空間、大気、大地や海であり、地上で発生、進化する生物は、互いに独立して進化し、消化器官などで互いに接することはあれど、コンポーネント化され、パッケージ化された身体、生命という器の中で独自の進化を遂げています。
モジュラリティのメリット
例えば、モジュラリティを有した組織は以下のようなケースで役に立ちます。
業務の急拡大
ほとんどの法人は市場の急拡大についていくことができないものなのです。売上が急に10倍になると、需要の読み誤りによる在庫過剰、先行投資による拠点と従業員の増加による販管費過剰、設備投資過剰や投資収益率の期待はずれにより営業キャッシュフローが一気にマイナスとなり、市場規模の拡大についていくことができず黒字倒産することもあります。一方、安全を期してしまうと旺盛なマーケットであっても結局30%成長くらいに止まってしまうのが関の山で、金の土砂降りが来た時にバスタブを持って外に出ることができません。
モジュラリティを持った組織の場合、製造能力から販売能力、資本調達までを、最先端のコンポーネントを組み合わせて、業務の急拡大に合わせて準備することができ、市場の急成長の利得を存分に享受することができます。つまり、営業キャッシュフローの拡大を維持しながら、黒字で急成長することができます。
M&Aによる業態拡大
旧型の組織では、M&Aによる統廃合の場合、PMI(Post Merger Integration)だけで数十億円、数百億円の膨大なコストがかかり、その結果は、結局統合ができないという残念なものであるケースも多数でした。
モジュラリティを持った組織の場合、インフラストラクチャと業務の設計によりM&Aによる統廃合においても、速やかな社員データベースの統合、業務データベースの統合、部品表や産業系システムの統合を実現することができます。
事業の閉鎖(カーブアウト)
旧型の組織では、事業を清算する場合に利益の出ているコア領域と、利益の出ていない撤退領域を峻別することが困難でした。結果として、全体が低パフォーマンスであると全て清算、全て売却をせざるを得ません。
事業活動をしている組織であれば、たった一つも良い点がないことはあり得ません。モジュラリティを持った組織の場合、速やかな資産の切り離し(カーブアウト、スピンオフ)を実現することで、収益が出ているクラウンジュエル(コアの契約資産やデジタル資産)を分離することができます。
GAASのモジュラリティ
GAAS(Growth-as-a-Service)はコンピューティングの歴史転換に着想を持ちましたが、企業の根幹を形作る基本思想として、グループの投資ポートフォリオのコアをになっています。
コンシューマビリティ
Consumability
あらゆる企業における土地取得、建造物建設、工作機械の設置、データセンターやサーバールームの建設、コンピュータプログラムへの投資のアウトプットのゴールは消費経済である。
企業のシステム投資はその投資自体を目的化するのではなく、必ずユーザの消費行動と有効需要(つまり営業キャッシュフロー)に根付いている必要がある。ROICは常に計測し続ける必要があるが、企業活動の逐一のアクションが資本に対するアウトプットとしていかに効率的に営業キャッシュフローを生み出しているかを観測する必要がある。
コンバーティビリティ
Convertibility
一つの文化圏や一つの経済圏でしか成立しないような企業体は、複数の文化圏や複数の経済圏で成立する企業体に必ず敗北する。閉鎖された組織にとって、時間は敵であり、コンバーティブルな組織にとって時間は味方である。大企業だけに使われるシステムは、一般消費者から大企業まで全てのユーザグループに利用されるシステムに必ず敗北する。これは情報論のEnergy Landscapeから説明することができる。
一部の限定された特殊なコミュニティでしか成立しないような公式は、一般相対性を持った公理に近い公式に必ず敗北する。時代の変化に伴い、公式は変化していくが、コンバーティビリティ(交換可能性、代替可能性、可塑性、弾力性)が生命の進化のコアであるという公理は変化しない。
コンペティティブネス
Competitiveness
容易に選択できる投資収益率をベータと仮定した時、2024年現在において最も簡単に、大量に(実体上無限に)購入できるリスクフリー資産は米国債であり(年率4%)、世界人口の増加による経済の需要増加と貨幣価値のインフレーションに連動した安全資産は米国株式インデックス(VTI,SPY, 年率13%)であり、最も規模が大きく、投資収益が高い銘柄はApple(ROA26%)となる。(2024年12月時点)
企業におけるシステム投資の出費は必ずアルファに対してベータがあることが社内的に証明されねばならない。βとは市場からもたらされたリターン、 αとはアセットを運用するマネージャーの銘柄選択やアセットアロケーションによってもたらされたリターンのことを指す。