スーパーファイン・メリノウール生産者

🏆 トップ生産者の例
サンドラント(Sandlant)家族の「Pyrenees Park(ピレニーズ・パーク)」農場
🐑 Pyrenees Park農場(Sandlant家族)についての記載内容
✅ 記録と表彰
- 2015年のZegna Vellus Aureum Trophy(ヴェルス・アウレウム・トロフィー)にて第2位を受賞。
- その年の受賞者は以下の通り:
- 1位:Rowensville(David & Susan Rowbottom)10.1μm
- 2位:Pyrenees Park(Robert & Pamela Sandlant)
- 3位:Currawong(Geoffrey & Heather Phillips)
✅ 農場情報(Loro Piana側の記述より)
- 所在地:ビクトリア州レクストン(Lexton, Victoria, Australia)
- 創業年:1888年
- プロジェクト:「The Gift of Kings®」の公式提携農場の1つ
- Loro Pianaの限定高級繊維シリーズに継続供給
- 他の供給先にはMillbank(NSW)やニュージーランドのVisuleaなどがある
🌱 飼育方針
方針項目 | 内容 |
---|---|
遺伝管理 | Zegna / Loro Piana両ブランドから選出される品質レベルを維持するため、代々にわたる超極細メリノの血統選抜が前提とされます |
非ミュールジング | 倫理的動物管理に沿って運営されている |
気候適応・持続性 | ビクトリア州の高原地域で、自然環境に適応した低ストレス放牧と水管理が実施されている |
✅ Pyrenees Park(Sandlant家族)は、ZegnaとLoro Pianaという世界最高峰のウールブランド双方から評価されている特別なメリノ生産農場であり、
✅ 記録的な9.4μm〜10.3μmウールを複数年にわたり安定供給している数少ない供給元です。
サンドラント(Sandlant)家族は、オーストラリア・ビクトリア州にあるPyrenees Park(ピレニーズ・パーク)農場を経営する家族で、超極細メリノウールの生産で世界的に知られています。
彼らの農場は、Zegna(ゼニア)の「Vellus Aureum Trophy」やLoro Piana(ロロ・ピアーナ)の「Record Bale」など、世界最高峰のウール品質賞を複数回受賞しています。特に、2010にはロロピアーナ基準10.6μm、2013年にはロロピアーナ基準10.3μm、2023年にはロロピアーナ基準10.2μm(Zegna基準9.4μm)という記録的な繊維径のウールを生産し、業界内で高い評価を受けています。
サンドラント家族は、選抜されたメリノ種の飼育やファーストクリップ(初毛刈り)による超極細ウールの生産など、品質に徹底的にこだわった飼育・管理を行っています。その結果、彼らの農場は、世界中の高級ブランドから注目される存在となっています。
『ASWGA Annual 2015/2016』に基づき、スーパーファイン・メリノウールのトップ生産者・生産量・生産方法について以下のようにまとめられます。
● Avington Farm(ビクトリア州シドニア)
- 飼育頭数:約12,500頭のメリノ羊
- 標高・気候:520m、年間降水量750mmの花崗岩地帯
- 記録:11〜13ミクロンのウールバレルを作成、1バレルが15,000セント/kg(=史上最高価格)で落札された
📊 生産量と測定方法
項目 | 内容 |
---|---|
フリース重量 | 1頭あたり平均:2〜6kg(成長段階による) |
マイクロン管理 | 自社Laserscanによる即時測定・選別 |
年間エリートショーバレル数 | 11〜13μmバレルを少数厳選(高値で売却) |
RFID管理 | 全頭に耳タグ、個体生産履歴をデータベースで一元管理 |
🔬 生産方法・管理手法
1. 遺伝改良と人工授精
- 毎年AI(人工授精)とET(胚移植)を活用し、選抜血統の遺伝効率を最大化
- パフォーマンス記録に基づき「繊維径」「フリース重量」「耐気候性」「繁殖率」などをスコア化
2. 環境・動物福祉への配慮
- 無マルジング(ノンミュールシング)政策:5年以上継続
- 放牧地で自然育成・制限給餌なし
- 見学者に開かれた運営(消費者信頼の獲得)
3. 選毛と仕上げ
- フリース1枚ずつを人手で広げて評価(「何百枚から数枚を厳選」と記載あり)
- トップ評価を得るために、肉眼による最終選別を重視
🧠 総括
✅ スーパーファインウールのトップ生産者は、徹底的な遺伝管理・科学的な測定・人間の最終判断の融合により、希少な11〜13μmの超極細繊維を生産
✅ RFIDやLaserscan、非侵襲的なアニマルケア、独自の品種改良によって持続可能かつ高収益性のあるウールビジネスモデルを実現