モジュラー型組織の設計ガイドライン|PcLOG™
Principal (Capital )Led Organic Growth™(PcLOG™自己資本主導型自律成長) と Product Led Organic Growth™ (PLOG™プロダクト主導型自律成長) を改めて定義し直し、それらを明確に対比した上で、Least Action Principle™(最小作用の原則)に基づく組織設計ポイント(Least Action Model™)を整理しました。
📌 LAP™, PcLOG™, PLOG™を原則としたモジュラー組織の設計
📍 成長モデル定義の明確化
成長モデル | 特徴 | ポイント |
---|---|---|
Least Action Principle™(LAP™) | 物理の法則。最小作用の原則 | あらゆる存在が従属する物理法則からPcLOG™, PLOG™のLeast Action Model™を導出。 |
Principal Led Organic Growth™ (PcLOG™) | 自己資本のみ(エクイティ非放出)。純利益・キャッシュフロー主導の自立型成長。VC・PE資本導入型グロースとは対照的。 | 経営者が純利益から再投資し、自己資本(プリンシパル)のみで長期的に成長。即座、自由、柔軟な意思決定が可能。 |
Product Led Organic Growth™(PLOG™) | 製品自体が市場・ユーザー獲得を主導する自律的な成長モデル。 | プロダクトの競争力・ユーザー満足度を基盤に、市場が自然に拡張。成長に多額の資本は必要としない。 |
Least Action Principle™(LAP™)はAからBに移動する時、物理は最小エネルギーの経路をとる(ブラキストクロンカーブと呼ばれる)。基本的な原則になる。PcLOG™は、外部資本の導入(VC、PE)を前提とせず、自己資本と純利益を元手にした成長モデル。これに対し、PLOG™はプロダクトが自律的に市場成長するモデルを指し、必ずしも資本性は限定されないが、2つを組み合わせると強力な組織になる。※どちらもTANAAKKのGAAS™で提唱している独自モデル。
📍 モジュラー型組織設計ポイント(PcLOG™・PLOG™融合モデル)
自己資本主導の成長(PcLOG™)とプロダクト主導成長(PLOG™)を同時に達成するために、以下の設計ポイントを推奨する。
① マーケット認知ベースのウェブドメインモジュール設計(Domain Modularization)
- 従来セルサイド(企業内都合)主導で設置されていた組織をバイサイドユーザー(BtoC, BtoB, BtoBtoC)の検索行動や認知構造に基づいて明確にウェブドメインを区分。
- 支払主体が最大限受益できるような最小構成のストラクチャを原則とする(Least Action Principle™)
- PcLOG™視点: 自己資本での効率的な顧客獲得を最大化するためにイールドが明確に算定できるユニットに責任分解。
- PLOG™視点: ユーザーの認知構造に沿った知る→体験する→購入するの動線でプロダクトが自律的にユーザー獲得できるSEO/SEM最適化されたドメインを構築。
ドメイン例 | 具体的設計 |
---|---|
BtoCドメイン | コンシューマ向けSEO強化型独立ドメイン(EC、D2C) |
BtoBドメイン | 法人向けSEO最適化ドメイン(SaaS専用、法人専用ポータル) |
BtoBtoCドメイン | API提供(法人)・エンドユーザー(消費者)それぞれSEO特化したドメイン |
② ユニットエコノミクスに基づくイールドマネジメント=資本収益管理(Yield-driven Capital Management)
- 全てのモジュールはユニットエコノミクス(LTV/CAC、資本回収期間)を厳格にモニタリング。
- グロースだけではなく、レバードキャッシュフロー利回り、オペレーティングレバレッジの改善の3点(資本効率、成長性、収益性)をモニタリングする。
- PcLOG視点: 自己資本による再投資が可能なように短期でキャッシュを創出し、中長期の成長投資への資金源を内部から調達。
- PLOG視点: プロダクト主導のユーザー拡張によりCACを削減し、資本効率を向上。
資本性区分 | ユニットエコノミクスの特性 |
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短期キャッシュ創出型 | CAC低下・短期回収による自己資本再投資資金源。資本を投下した場合同年に回収できるアービトラージを基本とする。 |
長期成長投資型 | 純利益の範囲で長期的な価値向上・プロダクト拡張。固定費の先行投資を計画的に行い、計画的に固定費→変動費に転換していく。 |
③ バリューチェーン一気通貫型の自律モジュール+エコシステム活用(Value Chain Modularization)
- 各モジュールは、販売・調達・生産・物流を自律完結型で保有し、オープンエコシステムを活用。
- PcLOG視点: 外部資本に依存しないよう外部パートナーやエコシステムに複雑性作業をオフバランスすることで、エコシステム全体で固定費・投資を抑制。
- PLOG視点: オープンソース的エコシステムによりプロダクトが自律拡張しやすい環境を提供。
モジュール例 | 構造例 |
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EC/D2Cモジュール | 商品企画〜物流まで一元化+外部パートナーと協業 |
SaaS/APIモジュール | 開発〜導入支援まで一元化+3rd Partyエコシステム |
キャピタルイールド | バリューチェーンのデータプラットフォーマーとなることにより、資本収益性の低いリスク資産をオフバランスする。ファイナンスリース、セール&リースバック、アセットライト化 |
④ 共通間接機能のシェアードサービス化(Modular Shared Services)
- 財務・経理・人事・IT等の間接部門は集約モジュール化し、効率化を徹底。
- PcLOG視点: 間接コストを最適化し、純利益率を最大化(自己資本成長の資金源)。
- PLOG視点: 各モジュールが間接機能から解放され、プロダクト拡張と顧客獲得に集中。
📍 PcLOG・PLOGをベースとした組織設計の比較表(再整理)
視点 | Principal Led Organic Growth (PcLOG) | Product Led Organic Growth (PLOG) |
---|---|---|
資本源泉 | 自己資本・純利益主導(エクイティ放出なし) | プロダクトが市場を獲得することで、効率的な資本拡大 |
マーケットドメイン設計 | 純利益を効率的に再投資可能なウェブドメイン | プロダクトのSEO/SEM最適化ドメイン |
資本管理の重点 | 資本回収期間の短縮、純利益ベースの再投資効率 | CAC低減によるユニットエコノミクスの向上 |
バリューチェーン構造 | 外部協業活用で資本支出を抑制 | エコシステム活用で製品自体の自律的市場拡張 |
間接機能の位置づけ | コスト最適化(純利益最大化) | プロダクト集中環境の提供 |
🚩【まとめ】PcLOG+PLOGによる組織設計の基本
自己資本(プリンシパル)主導のオーガニック成長(PcLOG)は、外部資本に依存しない独立した組織成長を目指し、純利益を効率的に再投資する体制を作る。一方、プロダクト主導のオーガニック成長(PLOG)は、市場に自然拡張するプロダクト競争力を高め、投資効率を劇的に改善する。
両者の融合を実現するために、
- ユーザーの認知構造に沿ったSEO最適化ドメイン
- 資本効率を基準にしたユニットエコノミクス管理
- 完結型バリューチェーン+オープンエコシステム活用
- 間接機能の集約モジュール化
を基盤としたエコシステムファースト、アセットライト、モジュラー組織設計を徹底することを組織構築の基本方針とします。