Wave Equation|波動方程式

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Wave Equation|波動方程式

波動方程式

  • 発表者:ジャン・ル・ロン・ダランベール(Jean le Rond d’Alembert)
  • 生年:1717年
  • 出身地:フランス・パリ
  • 発表地:フランス
  • 発表年:1747年
  • 概要
    • 物理学における基本的な微分方程式のひとつで、弦や音波、電磁波など波動現象の伝播を記述する。
    • ダランベールによって最初に弦の振動に関して導かれ、その後多くの物理現象に適用された。
  • 一般的な波動方程式の式:

\[\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = c^2 \nabla^2 \]

  • u:波の変位を示す関数(位置と時間の関数)
  • c:波の伝播速度
  • t:時間
  • 2 \nabla:空間に関するラプラシアン演算子
  • 意義:
  • 波動方程式は物理学や工学の様々な分野で不可欠な基礎理論であり、現代物理学や応用数学の発展に大きな影響を与えました。

ラプラシアン演算子(Laplacian Operator)

ラプラシアン(Laplacian)とは、空間の中で「場」がどのように曲がっているか、あるいはどのように変化しているかを示す演算子の一種です。主に物理学や数学(特に偏微分方程式)で使われます。

一般的な表記

ラプラシアン演算子は、∇2\nablaまたは Δ\Delta で表されます。

3次元の直交座標系での表記:

\[\nabla^2 = \frac{\partial^2 }{\partial x^2} + \frac{\partial^2 }{\partial y^2} + \frac{\partial^2 }{\partial z^2}​\]

2次元の直交座標系の場合:

\[\nabla^2 = \frac{\partial^2 }{\partial x^2} + \frac{\partial^2 }{\partial y^2}​\]

ラプラシアン演算子の意味

ラプラシアン演算子をあるスカラー関数(例えば温度、圧力、波の振幅など)に適用すると、その関数の空間内での「曲率」または「集中の程度」がわかります。

  • ラプラシアンが正の場合
    • その地点で関数の値が周囲の平均値より低い(周囲から値が流れ込むようなイメージ)。
  • ラプラシアンが負の場合
    • その地点で関数の値が周囲の平均値より高い(その地点から周囲へ流れ出るイメージ)。
  • ラプラシアンがゼロの場合
    • その地点の関数の値は周囲の平均と同じ。

ラプラシアン演算子の応用

  • 波動方程式(Wave Equation)
    • 音波や電磁波の伝播の解析に利用される。
  • 熱伝導方程式(Heat Equation)
    • 熱が物質中でどのように広がるかを示す。
  • ポアソン方程式/ラプラス方程式(Poisson/Laplace Equations)
    • 電磁場、重力場、流体力学などの解析で利用される。

具体例

例えば、温度分布を表す関数 T(x,y,z)T(x,y,z)T(x,y,z) にラプラシアンを作用させると:

\[\nabla^2 T = \frac{\partial^2 T}{\partial x^2} + \frac{\partial^2 T}{\partial y^2} + \frac{\partial^2 T}{\partial z^2}​\]

これは、「その場所の温度が周りよりも高いか低いか(温度の凸凹)」を示します。これをもとに、温度がどのように変化していくかを解析できます。