Pythagorean theorem|ピタゴラスの定理(三平方の定理)

ピタゴラスの定理は、古代ギリシャのピタゴラス(Pythagoras, 紀元前570年 – 紀元前495年)によって証明されたと伝えられていますが、それ以前にもインドや中国で知られていた可能性があります。
ピタゴラスの定理の証明方法は、400種類以上存在するといわれています。以下、代表的な証明方法を紹介します。
1. 面積を利用する方法
(最も有名な証明のひとつ)
- 大きな正方形を使う証明
- 辺の長さが (a+b)(a+b)(a+b) の正方形を考え、その中に4つの同じ直角三角形を配置する。
- 余った部分が小さな正方形 c2c^2c2 になることを示す。
- 2つの正方形の面積比較
- 4つの直角三角形を並べ替えて、2つの異なる配置を作る。
- どちらの配置でも合計面積は同じであり、結果として a2+b2=c2 が成立する。
2. 相似を利用する方法
(ユークリッドの証明)
- 直角三角形を高さで2つの小さな三角形に分割すると、それぞれが元の三角形と相似であることが分かる。
- 相似比を使って a2+b2=c2 を導出。
3. ベクトルを使う証明
- 直角三角形の各頂点を座標として考え、距離公式(ユークリッド距離)を用いる。
- 座標 (0,0), (a,0)(a,0)(a,0), (0,b) の3点の距離関係を計算すると、ピタゴラスの定理が成り立つ。
4. 三角関数を利用する証明
- 直角三角形の辺の比率と三角関数の関係を利用する。
- コサインの定理(余弦定理)を特別な場合(90度)に適用すると、ピタゴラスの定理に帰着する。
5. 積分を使う証明
- 直角三角形を回転させ、円や放物線との関係を解析的に求めることで、ピタゴラスの関係式が得られる。
6. 幾何学的変換を用いる証明
- 三角形を回転・反転させたり、切り分けて組み替えたりすることで a2+b2=c2 を視覚的に示す。
7. 数学的帰納法を用いる証明
- 小さい値(例えば n=1,2)でピタゴラスの定理が成り立つことを確認し、一般の nについて帰納的に証明する。
まとめ
ピタゴラスの定理には多くの証明方法がありますが、代表的なものは次の7種類です:
- 面積を利用する方法
- 相似を利用する方法
- ベクトルを使う方法
- 三角関数を利用する方法
- 積分を使う方法
- 幾何学的変換を用いる方法
- 数学的帰納法を用いる方法
4. 一般化(n次元空間での拡張)
2次元(三角形): a2+b2=c2
3次元(直方体の対角線): a2+b2+c2 =d2
n次元: x21+x22+…+x2n=r2 (ユークリッド距離)