Jun 3rd 2023

大企業カーブアウト第一号案件

Tanaakk 株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役 田中翔一朗）は icuco 株式会社（本社：愛知県豊橋市、代表取締役 柳瀬陽一）の普通株式による第三者割当を、当社の運営するHITSERIES®︎ファンドの第一号案件として 2022 年 6 月 2 日付で引き受けました。

当社は 2020 年より icuco 株式会社（旧：株式会社 wkwk（ワックワック））に増収実現サービス（HITSERIES®︎RevOps）を、2022 年からクラウド設計・開発標準化サービス（HITSERIES®︎DevOps）を提供しておりました。

この度、icuco がハードウェア依存型ビジネスからスケーラブルなクラウド IoT SaaS 事業へ事業転換し、黒字化達成を実現したことを機に、豊橋発ユニコーンスタートアップ創出を目標として資本参加しました。エクイティファイナンスのディールマネジメントおよびストックオプションを含む経営陣報酬設計は Tanaakk 法律事務
所（本社：東京都千代田区、代表弁護士 青木正芳 東京弁護士会第 70 期）が担当しています。

icucoについて

icuco は 2017 年に、武蔵精密工業株式会社内の新規事業創出プログラムである『第一回ムサシ Innovator’s Gate』の最優秀賞を受賞し、社内プロジェクトからスタートしました。2018 年に法人化され、2019 年に icuco 創業者である柳瀬社長が武蔵精密工業を退職の上、株式を購入取得して事業運営継続、2020 年に IoT デバイスおよび iOS アプリを公式リリースしました。icuco は Microsoft Azure および Amazon AWS 上に構築された保育園向けクラウド IoT SaaSで、武蔵精密工業における自動車業界の品質基準を企業文化のベースとして、品質の高い先端技術を安価に展開する目的で事業化されました。医療機器（クラスⅠ）レベルのセンサーデバ
イス（加速度、温度、光学）のハードウェアの強みに加えて、クラウドソフトウェアのアジャイル開発体制も整備。Github、Docker、Kubernetesをはじめとした 3rdParty 製品を組み合わせ、迅速なサービス開発およびリリースを繰り返すための CI/CD、セキュリティ品質管理体制を実現しています。
icuco は現在全国の保育園、幼稚園で導入され、誤飲防止設計されたデバイスで0 歳から３歳までの乳幼児のお昼寝を１秒間に 7 回センシングし、 AI により SIDS（乳幼児突然死症候群）の兆候を監視しています。2020年のサービスリリース以来解約率ゼロという高い顧客満足度と、公立・私立保育園でも安心してサービス購入を継続できる課金体系で、保育業界における業務イノベーションを起こしており、2024 年度末までに SaaS シェア No.1 を計画しています。

icuco 株式会社 代表取締役 柳瀬陽一社長からのコメント

『icuco は私の息子が 3 歳の時に入院した際に 24 時間付き添いが必要で、寝ている時にしかご飯も食べられず、お風呂やトイレにも行けず、子供が寝ている間に急いでコンビニに駆け込み、やっとのことでご飯が食べられたという経験の中で、同じような悩みを感じている保護者や保育士の皆様もいるのではないかと思い、始めた事業です。保育園業界のみならず、介護、病院、公共分野でも最新のインフラや安価なデバイスを活用することで楽になる作業は多くあると感じ、今後の他業種における事業横展開を計画しています。』

武蔵精密工業 CIO 付 穂浪正行様からのコメント

『柳瀬社長は icuco の構想段階から武蔵精密工業を退職しました。自己資金で起業家としてのリスクをとり、事業にコミットメントした点が商品への信頼、市場での評価につながったと感じています。icuco デバイスは自動車部品製造メーカーである武蔵精密工業でのノウハウを最大限活用し、品質の維持・向上に努めています。このような安心・安全な点もお客さまから評価されているのだと確信しています。』

HITSERIES®︎ファンド ゼネラルパートナー 田中翔一朗からのコメント

『企業の新規事業というものはその土地に根付いてきた伝統、文化、習慣を技術革新により再現する活動だと考えています。icuco は AI、クラウド、IoT を組み合わせた最先端の医療機器水準デバイスを安価に保育園に普及させています。豊橋発で世界中に広がった、創業 85 年目を迎える武蔵精密工業グループのイノベーションカルチャーとフィロソフィーを再定義する事業だと感じています。』