IMF(国際通貨基金、International Monetary Fund)は、世界の金融安定を守るために設立された国際金融機関であり、**加盟国に対して通貨・財政政策の監視、融資、技術支援を行います。
【IMFの基本情報】
項目 | 内容 |
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正式名称 | International Monetary Fund(国際通貨基金) |
設立年 | 1944年(ブレトンウッズ体制の一環) |
本部 | ワシントンD.C.(アメリカ) |
加盟国数 | 190か国以上(日本含む世界のほぼすべての国) |
日本の加盟 | 1952年 |
目的 | 為替の安定と国際収支の均衡、金融危機の防止と救済 |
【主な役割・機能】
領域 | 内容 |
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金融支援(融資) | 財政・通貨危機に陥った国へ融資(例:ギリシャ、アルゼンチン、スリランカなど) |
政策監視(サーベイランス) | 各国の財政・金融・為替政策を定期監視(IMF Article IV Review) |
技術支援(キャパシティビルディング) | 発展途上国に対し財政制度や中央銀行制度の整備を支援 |
世界経済見通し(WEO) | グローバル経済の成長率、物価、金利見通しを発表(四半期ごと) |
【資金の出どころと影響力】
- **加盟国からの出資金(クォータ)**に基づいて融資原資を構成
- 出資比率が高い国(アメリカ、日本、ドイツなど)は議決権も大きい
- 日本は世界第2位の出資国(全体の約6%)
【IMFとOECDの違い】
項目 | IMF | OECD |
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設立目的 | 為替・金融の安定 | 経済・社会政策の調和 |
対象国 | 全世界(先進国+途上国) | 主に先進国 |
主な機能 | 融資・監視・支援 | ガイドライン策定・政策協調 |
強制力 | 高(融資条件として政策介入あり) | 中(ソフトローが中心) |
拠点 | ワシントンD.C. | パリ |
【まとめ】
**IMFとは、世界の金融システムの「緊急対応装置」**です。
- 財政が危機に瀕した国へ融資し、
- 通貨制度や金融政策の安定を促し、
- 世界経済の連鎖的崩壊を防ぐために存在しています。