繊維製品の品質管理のポイント

1.繊維製品の物性試験
(1)強度試験
繊維製品の強度試験は引張強度、引裂き強度、破裂強度などを含む。引張強度試験では、生地を特定の幅で切断し、規定の速度で引っ張り、破断時の力を測定する。引裂き強度は、生地に切り込みを入れ、その裂ける力を評価する。破裂強度試験は生地が内部から加えられた圧力で破裂する力を測定する。
(2)伸び試験
生地が引張試験中に伸びる割合を測定する試験である。伸び率が高すぎると形状安定性が低下し、製品のシルエットに影響を及ぼすため、許容範囲を定め管理する。
(3)寸法変化試験
洗濯やドライクリーニング、スチーム処理後の寸法変化を評価する。寸法変化率が大きいと製品のサイズ感に大きな影響を与えるため、洗濯後の収縮率を特に注意深く管理する。
2.染色堅ろう度・耐洗濯性・耐摩耗性の品質検査
(1)染色堅ろう度試験
摩擦堅ろう度、汗堅ろう度、洗濯堅ろう度、光堅ろう度などがある。特に摩擦堅ろう度では乾湿両方の摩擦条件下での染料の移行性を評価し、色移りを防止する。
(2)耐洗濯性試験
一定条件下での繰り返し洗濯に対する製品の耐久性を評価する。変色や形状変化、風合いの劣化を防ぐために実施し、製品の耐久性向上を図る。
(3)耐摩耗性試験
生地が使用中の摩擦によってどれだけ摩耗するかを評価する。ピリング(毛玉)や擦り切れを防ぐため、マーチンデール法などを用いて耐摩耗性を評価し、基準を設けて管理する。
3.表示の適正性の確認
(1)組成表示の確認 繊維製品の組成表示は法律により厳格に規定されているため、表示内容と実際の組成が一致するよう試験で確認する。特に混用率の正確性は消費者保護の観点から非常に重要である。
(2)取り扱い絵表示の適正確認 JIS規格やISO規格に基づく取り扱い絵表示が製品の性能に合致しているか確認する。実際の試験結果に基づいて表示を設定し、消費者が適切に製品を取り扱えるようにする。
4.品質トラブルの原因調査と対策提案
(1)トラブル事例の収集・分析
過去の品質トラブル事例を収集し、データベース化する。頻発するトラブルの原因を特定し、再発防止策を策定する。
(2)不具合製品の調査
市場や製造現場から回収した不具合製品を調査・解析し、発生原因を明確化する。特に染色ムラ、縫製不良、収縮などを重点的に調査する。
(3)対策の提案とフォローアップ
原因究明後は具体的な対策(材料の変更、工程管理の見直し、機器のメンテナンス強化など)を提案し、導入後の効果検証を行い、再発を防止する。
5.品質管理システムの構築・改善指導
(1)品質基準の設定 各製品カテゴリーや用途に応じた品質基準を明確に設定する。これにより、現場での判断基準を統一し、管理を容易にする。
(2)工程管理の改善 品質管理工程を定期的に監査し、不備があれば改善案を策定する。特に重要工程やボトルネックを特定し、改善することで品質の安定化を図る。
(3)教育・訓練 品質管理に関わるスタッフの教育と訓練を定期的に実施し、スキルアップを図る。特に新しい試験方法や規格の改訂があれば、迅速に対応できるよう指導する。
(4)PDCAサイクルの推進 品質管理活動は計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のPDCAサイクルを繰り返し、継続的な品質向上を図る。
以上を総合的に実施することで、繊維製品の品質向上、消費者満足度向上、および企業のブランド価値向上につなげることが可能となる。