Manhattan Project｜マンハッタン計画の代表的な中心人物
はい、「マンハッタン計画」の名前は、ニューヨーク市のマンハッタン地区に直接的に由来しています。
📌 なぜ「マンハッタン」という名前になったのか？
マンハッタン計画の最初のプロジェクト管理オフィスが1942年6月に設置されたのが、
ニューヨーク市マンハッタン地区の米国陸軍マンハッタン工兵管区（Manhattan Engineer District）
だったためです。
- 当初、米国陸軍工兵隊が原爆開発を担当する際の管理拠点がマンハッタンに置かれたため、コードネームとして「マンハッタン地区計画（Manhattan District Project）」と呼ばれました。
- のちにプロジェクトの規模が拡大し、拠点もロスアラモス（ニューメキシコ州）やオークリッジ（テネシー州）などに移転しましたが、初期の名前「マンハッタン」がそのまま残ったのです。
📌 実際のマンハッタン地区での活動は？
マンハッタン地区にあったのは主に、
- 計画の事務的・軍事的な管理センター
- 人員採用・資金調達・物資調達などの調整を行うオフィス
であり、実際の核物理学の研究や原子炉、爆弾開発自体は別の場所（ロスアラモス研究所、オークリッジ、ハンフォード）で行われました。
マンハッタン地区そのものでは原爆開発の実験やウラン濃縮などの実質的な研究開発は行われませんでした。
📌 主要な研究開発拠点は？
| 場所 | 主な活動 |
|---|---|
| ロスアラモス研究所（ニューメキシコ州） | 原爆設計・組立て・実験（トリニティ実験） |
| オークリッジ（テネシー州） | ウラン濃縮 |
| ハンフォード（ワシントン州） | プルトニウム製造 |
| シカゴ大学（イリノイ州） | フェルミの原子炉実験（シカゴ・パイル1号） |
📌 結論（まとめ）
- 「マンハッタン」という名前は、当初の管理拠点であるニューヨーク市マンハッタン地区に由来するものです。
- 実際の原子爆弾開発の中心はニューメキシコ州、テネシー州、ワシントン州などで行われましたが、管理上の名称が継続して使われました。
- したがって、マンハッタン（ニューヨーク）は計画の名前に関係していますが、研究開発そのものには直接の関与はほとんどありませんでした。
📌マンハッタン計画の期間
- 開始日：1942年8月13日
（米国政府が原子爆弾開発を目的に正式発足） - 終了日：1946年8月15日
（日本降伏後も約1年間継続され、その後正式終了）
計画の実質的な期間：約4年間（1942年〜1946年）
※原爆開発の研究自体は1939年ごろから始まっていますが、「マンハッタン計画」という正式なプロジェクト名がつき、大規模な組織が結成されたのは1942年です。
📌マンハッタン計画の参加人数
マンハッタン計画は極めて大規模な国家プロジェクトでした。
- ピーク時（1945年頃）には、全米各地の施設で約13万人がプロジェクトに参加しました。
- 内訳としては科学者（理論物理学者、化学者、工学者）が約数千名、残りの大多数は施設建設、管理、軍人、技術者、労働者などです。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 合計参加者（ピーク時） | 約130,000人 |
| 科学者・エンジニア | 約5,000〜6,000人 |
| 軍人・作業員・支援要員 | 約120,000人以上 |
📌主な施設と人数
マンハッタン計画は全米各地に分散して行われました。
| 施設名 | 場所 | ピーク時の人数 |
|---|---|---|
| ロスアラモス研究所（研究本部） | ニューメキシコ州 | 約6,000人（科学者・技術者中心） |
| オークリッジ施設（ウラン濃縮施設） | テネシー州 | 約75,000人 |
| ハンフォード施設（プルトニウム生産施設） | ワシントン州 | 約45,000人 |
| その他施設（大学や軍施設） | 全米各地 | 数千人 |
📌主なプロジェクトリーダー
- 科学部門総責任者：ロバート・オッペンハイマー
- 軍事部門総責任者：レスリー・グローヴス少将
- その他、エンリコ・フェルミ、ニールス・ボーア、アーネスト・ローレンスら多くの科学者が重要な役割を担いました。
📌予算規模
マンハッタン計画の総予算は当時の金額で約20億ドル（現在価値で約250〜300億ドル相当）とされています。
📌結論（まとめ）
- 正式開始日：1942年8月13日
- 終了日：1946年8月15日（正式終了）
- 総参加者数：ピーク時約13万人
- 期間：実質約4年間
マンハッタン計画は人類史上最も巨大な軍事研究プロジェクトの一つであり、アメリカ合衆国の国家総力を挙げて進められました。
以下にマンハッタン計画に関わった主要人物
① ロバート・オッペンハイマー（Robert Oppenheimer）
- 生年月日：1904年4月22日
- 出生地：アメリカ合衆国・ニューヨーク市
- 没年月日：1967年2月18日（62歳没）
- 主な化学関連の受賞歴：
- ノーベル賞の受賞歴はない。
- エンリコ・フェルミ賞（1963年受賞、米国政府）
② エンリコ・フェルミ（Enrico Fermi）
- 生年月日：1901年9月29日
- 出生地：イタリア・ローマ
- 没年月日：1954年11月28日（53歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル物理学賞（1938年）：中性子による人工放射能の研究
- マックス・プランク・メダル（1954年）
③ レオ・シラード（Leo Szilard）
- 生年月日：1898年2月11日
- 出生地：オーストリア＝ハンガリー帝国・ブダペスト（現ハンガリー）
- 没年月日：1964年5月30日（66歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞関連）：
- ノーベル賞の受賞歴なし
- アルバート・アインシュタイン賞（1958年）
④ ニールス・ボーア（Niels Bohr）
- 生年月日：1885年10月7日
- 出生地：デンマーク・コペンハーゲン
- 没年月日：1962年11月18日（77歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル物理学賞（1922年）：原子構造の研究
- フランクリン・メダル（1926年）
⑤ アーネスト・ローレンス（Ernest Lawrence）
- 生年月日：1901年8月8日
- 出生地：アメリカ合衆国・サウスダコタ州カントン
- 没年月日：1958年8月27日（57歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル物理学賞（1939年）：サイクロトロンの開発と人工放射能の研究
- エンリコ・フェルミ賞（1957年）
⑥ リチャード・ファインマン（Richard Feynman）
- 生年月日：1918年5月11日
- 出生地：アメリカ合衆国・ニューヨーク市
- 没年月日：1988年2月15日（69歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル物理学賞（1965年）：量子電磁力学（QED）の研究
- アルバート・アインシュタイン賞（1954年）
⑦ ハンス・ベーテ（Hans Bethe）
- 生年月日：1906年7月2日
- 出生地：ドイツ帝国・シュトラスブルク（現フランス）
- 没年月日：2005年3月6日（98歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル物理学賞（1967年）：星のエネルギー生成理論
- エンリコ・フェルミ賞（1961年）
⑧ グレン・シーボーグ（Glenn Seaborg） ※特に化学分野で有名
- 生年月日：1912年4月19日
- 出生地：アメリカ合衆国・ミシガン州イシュペミング
- 没年月日：1999年2月25日（86歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞）：
- ノーベル化学賞（1951年）：プルトニウムなど超ウラン元素の発見
- エンリコ・フェルミ賞（1959年）
- プリーストリー賞（1979年）
⑨ レスリー・グローヴス（Leslie Groves）※ 軍人（化学受賞歴なし）
- 生年月日：1896年8月17日
- 出生地：アメリカ合衆国・ニューヨーク州オールバニ
- 没年月日：1970年7月13日（73歳没）
- 主な受賞歴（ノーベル賞・化学関連）：
- なし（軍人のため科学関連の賞歴なし）
📝 まとめ表（受賞歴あり中心）
| 人物名 | 生年 | 没年 | 主な受賞歴 |
|---|---|---|---|
| オッペンハイマー | 1904 | 1967 | エンリコ・フェルミ賞 |
| フェルミ | 1901 | 1954 | ノーベル物理学賞（1938） |
| シラード | 1898 | 1964 | アルバート・アインシュタイン賞 |
| ボーア | 1885 | 1962 | ノーベル物理学賞（1922） |
| ローレンス | 1901 | 1958 | ノーベル物理学賞（1939） |
| ファインマン | 1918 | 1988 | ノーベル物理学賞（1965） |
| ベーテ | 1906 | 2005 | ノーベル物理学賞（1967） |
| シーボーグ | 1912 | 1999 | ノーベル化学賞（1951） |
| グローヴス | 1896 | 1970 | なし |
📌 結論（簡潔なまとめ）
- フェルミ、ボーア、ローレンス、ファインマン、ベーテ、シーボーグ がノーベル賞を受賞しています。
- シーボーグ は唯一のノーベル化学賞受賞者です。
- マンハッタン計画を主導した オッペンハイマーとシラード はノーベル賞を受賞していませんが、それぞれ重要な科学賞を受賞しています。
- 軍人の グローヴス は科学賞歴がありませんが、計画の軍事的リーダーとして不可欠な役割を果たしました。