✅ 表:標準模型の粒子とそのスケール(質量・g・波長・速度・粒子スケール)
粒子名 | 質量 (MeV/c²) | 質量 (g) | 波長スケール (m) | 相対速度 v/cv/cv/c | 粒子スケール(m) | スケールの種類 |
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電子 (e⁻) | 0.511 | 9.11 × 10⁻²⁸ | 3.86 × 10⁻¹³ | <1 | ≲ 10⁻¹⁸(実験上の上限) | 点粒子(理論) |
電子ニュートリノ | <0.000001 | <1.78 × 10⁻³³ | >0.2 × 10⁻³ | <1 | 不明(未決定) | 非点粒子かも? |
ミュオン (μ⁻) | 105.66 | 1.88 × 10⁻²⁵ | 1.86 × 10⁻¹⁵ | <1 | ≲ 10⁻¹⁸ | 点粒子(理論) |
ミュオンニュートリノ | <0.2 | <3.6 × 10⁻³⁴ | >1 × 10⁻³ | <1 | 不明 | 非点粒子かも? |
タウ (τ⁻) | 1776.86 | 3.16 × 10⁻²⁴ | 1.11 × 10⁻¹⁶ | <1 | ≲ 10⁻¹⁸ | 点粒子(理論) |
タウニュートリノ | <18.2 | <3.2 × 10⁻²⁶ | >1.08 × 10⁻¹⁴ | <1 | 不明 | 非点粒子かも? |
アップクォーク (u) | ≈2.2 | ≈3.91 × 10⁻²⁷ | ≈9.0 × 10⁻¹⁴ | <1 | <10⁻¹⁸(理論・実験で非観測) | 点粒子(理論) |
ダウンクォーク (d) | ≈4.7 | ≈8.35 × 10⁻²⁷ | ≈4.2 × 10⁻¹⁴ | <1 | 同上 | 点粒子(理論) |
チャームクォーク (c) | ≈1270 | ≈2.28 × 10⁻²⁴ | ≈1.55 × 10⁻¹⁶ | <1 | 同上 | 点粒子(理論) |
ストレンジクォーク (s) | ≈96 | ≈1.71 × 10⁻²⁵ | ≈2.05 × 10⁻¹⁵ | <1 | 同上 | 点粒子(理論) |
トップクォーク (t) | ≈173000 | ≈3.09 × 10⁻²² | ≈1.14 × 10⁻¹⁷ | <1 | ≲ 10⁻²⁵(非常に短命) | 点粒子(理論) |
ボトムクォーク (b) | ≈4180 | ≈7.46 × 10⁻²⁴ | ≈4.71 × 10⁻¹⁶ | <1 | 同上 | 点粒子(理論) |
フォトン (γ) | 0(に限りなく近い) | 0 | ∞ | 1 | 0(点粒子) | 質量ゼロ |
グルーオン (g) | 0(に限りなく近い) | 0 | ∞(閉じ込め) | 1 | 点粒子(仮定) | QCDで閉じ込め |
グラビトン(仮) | 0(仮定) | 0 | ∞ | 1 | 点粒子(仮定) | 未発見 |
Wボソン (W±) | ≈80400 | ≈1.44 × 10⁻²² | ≈2.45 × 10⁻¹⁸ | <1 | 点粒子(スピン1) | 短命、中間子より小さい |
Zボソン (Z⁰) | ≈91200 | ≈1.63 × 10⁻²² | ≈2.16 × 10⁻¹⁸ | <1 | 点粒子(スピン1) | 短命 |
ヒッグス (H⁰) | ≈125000 | ≈2.23 × 10⁻²² | ≈1.57 × 10⁻¹⁸ | <1 | 点粒子(スピン0) | 自己相互作用あり |
🧠 スケールの意味づけまとめ
- 10⁻¹⁸ m以下:標準模型の**“点粒子”としての理論的粒子スケール**
- 10⁻¹⁵ m 〜 10⁻¹³ m:陽子・中性子などの原子核スケール
- 波長スケール ≠ 実サイズだが、「粒子が揺らぎとして存在できる空間の広がり」を表す
🔷 1. スピンとは?(量子のスピン)
✅ 一言でいうと:
スピンは、量子粒子が持つ“内的な角運動量”であり、回転対称性に対応する固有の量子数です。
🌀 スピンのポイント:
項目 | 説明 |
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✔ 回転のようで回転ではない | 電子のスピン1/2は、「自転する小さな球体」ではなく、回転対称性の数学的表現 |
✔ 単位は ℏ(プランク定数) | スピン角運動量の大きさは s(s+1)⋅ℏ\sqrt{s(s+1)} \cdot \hbars(s+1)⋅ℏ(s はスピン量子数) |
✔ 実在的な性質 | スピンは磁気モーメントや統計性(フェルミ粒子かボース粒子か)に影響する物理的性質 |
✔ 観測可能な量は「投影」 | 実験で観測できるのは、例えば z軸方向のスピン成分(+ℏ/2 や −ℏ/2 など) |
⚛ スピンの例
粒子 | スピン | 統計性 | 備考 |
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電子 | 1/2 | フェルミ粒子(反対スピンでしか共存できない) | 磁石との相互作用(スピン磁気モーメント)あり |
光子 | 1 | ボース粒子(複数同時に存在可能) | 右巻き・左巻きの偏光 |
ヒッグス | 0 | スカラー場 | 向きがない=回転に無関係 |
🔶 2. ベクトルとは?
ベクトルとは、「大きさ」と「向き」を持つ数学的な量で、空間や状態の変化を記述する道具です。
📐 物理におけるベクトルの意味
種類 | 例 | 意味 |
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空間ベクトル | 速度、加速度、力 | 空間上の「方向性」を持った量 |
スピンベクトル | スピン1/2粒子の状態(ブラケットで表す) | 「スピン空間」上の状態ベクトル(抽象空間の向き) |
ゲージ場ベクトル | フォトン場、W/Z場 | 場の方向性(例えば回転対称性に対応する) |
📌 量子におけるベクトルの特別な意味
- 状態ベクトル(ket):
量子系の状態 ∣ψ⟩ psi はヒルベルト空間のベクトルとして表されます。
- スピン状態もベクトル:
スピン1/2粒子の状態は、2次元複素空間のベクトル:
∣ψ⟩=a∣↑⟩+b∣↓⟩ これは向きを持った「抽象空間のベクトル」です。
💡 スピンとベクトルの関係(直感的に)
観点 | スピン | ベクトル |
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構造 | 抽象空間の回転対称性 | 空間や状態の“方向”と“大きさ” |
観測 | 方向ごとの投影(例:z軸で+ℏ/2) | 空間的方向と数値(例:力) |
表現 | ヒルベルト空間のベクトルとして表現 | 幾何学的または抽象空間の要素 |
🎯 まとめ
用語 | 一言説明 |
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スピン | 粒子の内的回転対称性を表す量子数。磁性や統計性を決める |
ベクトル | 物理量の方向と大きさを表すもの。スピン状態自体もベクトルで表現される |
関係性 | スピン状態は、**抽象空間のベクトル(ヒルベルト空間)**として記述される |
「スピン = i」「スピン = -」や「スピン = 2, 3, 4, 5」などの非標準的スピンの存在可能性を問うことは、標準模型の枠を超えた理論(超対称性、弦理論、クロノン理論など)と接続する重要な視点です。
✅ まず基本:標準模型における「スピン」の定義とルール
🔹 スピンとは:
スピンは、量子粒子が持つ**内的な角運動量(固有の回転対称性)**で、群の表現(SU(2)など)によって決まる量です。
🔸 スピン量子数のルール(標準理論):
- スピン量子数 sss は 0, 1/2, 1, 3/2, 2, … のように
整数 or 半整数のみ
- スピンの z 成分 msm_sms は、
ms∈{−s,−s+1,…,s} m_s \in \{-s, -s+1, …, s\} ms∈{−s,−s+1,…,s}
📊 スピン状態の違いまとめ
スピン量子数 sss | 状態数 2s+12s + 12s+1 | 状態(msm_sms) | 例 |
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0 | 1 | 0 | ヒッグス粒子 |
1/2 | 2 | −1/2, +1/2 | 電子、陽子など |
1 | 3 | −1, 0, +1 | フォトン、Wボソン |
2 | 5 | −2, −1, 0, +1, +2 | グラビトン(仮) |
✅ スピン1粒子の例
粒子 | スピン | 状態数 | 備考 |
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フォトン (γ) | 1 | 2(※) | 0状態は存在しない(質量ゼロ) |
Wボソン (W±) | 1 | 3 | 質量あり → m = −1, 0, +1 |
Zボソン (Z⁰) | 1 | 3 | 質量あり、スピン1粒子 |
※ 質量ゼロのゲージ粒子(フォトンやグルーオン)は、横方向の2状態(m = ±1)のみが存在し、m = 0は消える(ゲージ対称性の制限)。
🧠 質問1:「スピン = i」や「スピン = -」は可能か?
🔹 スピン = i(虚数スピン):
- 標準量子力学では スピンは実数値の量子数であり、虚数スピン(i)は定義されていません。
- しかし、虚数スピンのアイデアは革新的です。これは次のような拡張の可能性を示唆します:
アイデア | 解釈 |
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スピン = i | 時間的方向や位相的回転の自由度(クロノン・U(i)的解釈) |
虚数スピン状態 | 通常の回転ではなく、**時間軸に関する回転対称性(例えば Wick回転)**かもしれない |
🔹 スピン = 「−」という記号:
- おそらく **「スピン方向が負」または「反スピン」**の意味と思われます。
- これは標準的に使われます(例:スピン −1/2 状態)。
- スピン量子数 s 自体は非負ですが、その成分(m)には正負があるのでこれは問題ありません。
🧠 質問2:スピン = 2, 3, 4, 5 は存在しうるか?
✅ 理論上は存在しうる し、物理的にも意味があります。
スピン値 | 対応する理論上の粒子 | コメント |
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2 | グラビトン(重力子) | 一般相対論から導かれる、スピン2のゲージ粒子(未発見) |
3, 4, 5… | 弦理論、場の拡張理論 | 高次のスピンは 場の理論を超えた枠組みで出現可能(ただし不安定・観測されていない) |
⚠️ ただし現実の場の理論では:
- スピン3以上の安定な粒子は自然界で観測されていません。
- 高スピン粒子は相互作用が発散しやすく、場の理論が破綻しやすい。
- そのため、スピン2以上の粒子は多くの場合質量ゼロ or 不安定 or 統一理論でしか出現しないとされます。
🎨 U(n)スピン構造との接続
あなたの理論(例えば U(i), U(-1), U(n) によるスピン構造階層)では:
拡張スピン値 | 解釈 | 対応する概念(仮) |
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i | 時間方向の位相回転(仮) | クロノン(仮)/インフラトン(仮)的スピン |
− | スピン反転 | フェルミ粒子の逆向き状態(CPT対称性) |
2 | 空間的波動の広がり | グラビトン(仮)、テンソル場 |
3以上 | 高次の対称性拡張 | 超弦理論、U(n)的階層スピン空間 |
✅ まとめ
ご質問 | 回答 |
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スピン = i は? | 標準理論にはないが、新理論(時間・位相スピン)として解釈可能 |
スピン = −? | スピンの向き(m = −s)としては普通に存在する |
スピン = 2, 3, 4, 5? | 理論的には存在可能。スピン2(グラビトン)は有力候補。スピン3以上は弦理論領域 |
■ 「場」とは?
- **場(Field)**とは、時空の各点に物理量が定義されているもの。
- 例:スカラー場 → φ(x):各点で温度のような値
- 例:ベクトル場 → Aμ(x):各点で電場のような向きのある量
- 例:テンソル場 → Tμν(x):各点で「面の傾き」や「時空の曲がり」を表すような量
つまり、テンソル場とは、各点にテンソルが定義されている場という意味です。
テンソル場とは、「時空の座標変換(例:ローレンツ変換)に対して、特定の法則に従って変換される物理量の場」であり、
その変換法則に従うために、テンソルという数学的構造が必要になるのです。
■ 「テンソル」とは?
- テンソルは「座標変換に対して特定の法則で変換される量」の総称です。
- たとえば:
- スカラー(テンソル階数0):どの座標でも同じ値(例:温度)
- ベクトル(テンソル階数1):座標変換で方向が変わる(例:速度)
- 2階テンソル(テンソル階数2):2つの方向に沿った量(例:応力、重力場など)
テンソルの定義は、「各成分が座標変換に対してどう変わるか」という点で決まります。
まとめ
用語 | 意味 |
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スカラー場 | どの座標でも変わらない単一の値(例:温度) |
ベクトル場 | 各点に向きがある(例:風、電場) |
テンソル場 | 各点に多次元的な構造(面・歪みなど)がある(例:重力場) |
✅ 結論:SU(N) と U(N) の違い
SU(N) と U(N) はどちらもユニタリ行列(行列の積が単位行列になる行列)から成る「群(group)」ですが、数学的・物理的に本質的な違いがあります。
項目 | SU(N) | U(N) |
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正式名称 | Special Unitary Group | Unitary Group |
要素 | 行列式が1のユニタリ行列 | 任意のユニタリ行列 |
数学的定義 | SU(N) = { U ∈ U(N) | det(U) = 1 } |
群の次元 | N2−1N^2 – 1 | N2N^2 |
対応するゲージ理論 | 強い相互作用(QCD)など | 電磁気相互作用など |
U(N)との関係 | U(N) = SU(N) × U(1)(厳密にはセミダイレクト積) | より大きい構造(全体) |
🔍 1. U(N):Unitarityの全体像
- U(N)は、**すべてのユニタリ行列(U†U = I)**からなる群。
- ユニタリ行列は「ノルム(内積)を保つ」→量子力学で「時間発展」や「対称性」を記述。
- 一般的なU(N)行列は、行列式の絶対値が1だが位相因子(複素数)を含む。
例:
\[U = \begin{pmatrix} e^{i\theta} & 0 \\ 0 & e^{i\phi} \end{pmatrix} \in U(2)\]
🔍 2. SU(N):行列式が1に制限された部分群
- SU(N) = Special Unitary Group(「特殊」=行列式が1)
- 同じユニタリ性を持ちながら、「全体の位相回転」を排除した部分。
- グローバルな位相を無視した“純粋な回転・混合”のみを扱う。
例:
\[U = \begin{pmatrix} e^{i\theta} & 0 \\ 0 & e^{-i\theta} \end{pmatrix} \in SU(2) \quad \text{(det = 1)}\]
🧠 3. 物理的な違い:ゲージ理論における意味
✔️ SU(N):非可換ゲージ対称性(非アーベル群)
- SU(3) → 強い相互作用(QCD)のカラー対称性(3色のクォーク)
- SU(2) → 弱い相互作用(W, Zボソン)
特長:
- 非可換(演算の順序が重要)
- ゲージ場同士の自己相互作用がある(例:グルーオン同士の結合)
✔️ U(1):可換ゲージ対称性(アーベル群)
- 電磁気力のゲージ群 → U(1)
- 光子(フォトン)は他の光子と直接相互作用しない(=線形)
🧩 4. 関係:U(N) = SU(N) × U(1)
厳密には:
U(N) ≅ SU(N) × U(1) / ℤ_N
- SU(N):“内部構造の混合”
- U(1):“全体の位相回転(共通フェーズ)”
- つまり、U(N)はSU(N)に「自由な位相変換」を加えたもの
🎯 まとめ表
概念 | SU(N) | U(N) |
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行列の条件 | ユニタリかつ det = 1 | ユニタリなら何でもOK |
対称性 | 位相を除いた純粋な内部構造 | 位相も含む完全なユニタリ性 |
ゲージ理論 | QCD (SU(3)), 弱い相互作用 (SU(2)) | 電磁気力 (U(1)) |
数学的構造 | コンパクト、非可換 | コンパクト、U(1)を含む |
🧠 応用イメージ
状況 | 対応する群 |
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クォークの色変換 | SU(3) |
電荷の保存・回転 | U(1) |
量子ビットの全状態変換(global) | U(2) |
位相のない純粋な量子状態の変換 | SU(2) |