GAAS™オントロジー|TANAAKKを構成する哲学、論理、数理、実装の階層構造

🌐GAAS™(Growth-as-a-Service™)の階層構造
GAAS™を体系化すると、以下のように階層を整理できます。バリューチェンの出荷に近い工程は必ず上位の工程を制約条件とするという階層構造を持ちます。
1 Philosophy(哲学)→2 Proposition(命題)→ 3 Logic(構造論)→ 4 Principle(原則)→ 5 Mathematics(数理)→ 6 Model(模型)→7 Axiom(公理)→8 Equation(公式)→9 Theory(仮説)→10 Ecosystem(生態系)→11 Standardization(標準)→12 Interface(接続)→13 Structure(構造)→14 Architecture(設計)→15 Technology(技術)→16 Assets(資産)→17 Operating Functions(実装)→18 Assembly Process(工程)→19 Components(要素)
✅ Emergency-Importanceマトリクス(緊急度 × 重要度)
重要度/緊急度 | 緊急である(Inside) | 緊急でない(Interface) | 見えない(Outside) |
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重要である(High Priority) | 第2領域:Do 即対応(例:障害対応、期限切迫タスク) 気づきやすい(組織の内側の力関係) | 第1領域:Plan 本質的・戦略的(例:成長戦略、教育、設計思想) 10 Ecosystemから15 Technology← 気づきにくい(組織の外との力関係) | 第0領域 Innovation 1 Philosophy→9 Theoryまで。いわゆるイノベーション。Innovation come from nowhere.←見えない(産業の外側の系) |
重要でないが必要(Commoditized) | 第3領域:Delegate 対応されやすいが実は重要でない領域は分業化(例:急な打ち合わせ、電話対応) | 第4領域:Eliminate 利益が投資を上回らないアクション(例:無目的な会議、商談、生産工程のムダ、在庫過剰など) | 第5領域:Outsource 自社がやることで利益が期待できない工程はオフバランスする |
第0領域 Innovation →第1領域:Plan→第2領域:Do→第3領域:Delegate→第4領域:Eliminate→第5領域:Outsource
普段ほとんどのTANAAKK社員は、緊急であり、重要である第2領域の業務に従事します。しかし、その中には緊急であるが、重要でない業務があり、第3領域に移行すべきです。一方、緊急でないが重要である第1領域(自分の会社の外側との力関係の領域)があります。業務で普段目にするのは最終工程の17.Operating Functions(実装)→19.Components(要素)です。さらに、認知することの難しい産業の外側からのイノベーションが第0領域です。上流工程には15区分の要素があり、上流工程の制約条件で末端工程が機能しているということを理解することが重要です。さらに、第2領域には自分たちがすべきでないコモディタイズドされた反復業務も含まれます。その場合はPlan→第2領域:Do→第3領域:Delegate→第4領域:Eliminate→第5領域:Outsourceとオフバランスしていくことが必要となります。
🌐 GAAS™体系:オントロジー
階層 | 項目名 | 説明 | キーワード例 |
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1 | Philosophy(哲学) | 存在論。私、会社、製品が存在する意味。人生の物理的な制限時間(死までのカウントダウン)を深く理解。 | 存在論、空間、時間 Philosophy |
2 | Proposition(命題) | 私が提示するStatement(主題)が真であることの証明 | CEO Statements |
3 | Logic(論理) | 論理とは「計算の回避」。論理とは複雑性の仕訳作業である。(RANDOMNESS, SPACE, TIME)の中で寿命という上位のPhilosophical Constraints(哲学的制約条件)により、R, S問題は排除し、T問題に取り組むことになる。(NP-Complete) | 論理、計算機複雑性の回避 Logic |
4 | Principle(原則) | 私→目的地が決定されると、物理は最も小さいエネルギーで到達できる最短降下曲線に収束する。(非決定性多項式時間問題)NP-Complete | 原理、原則 Principle |
5 | Mathematics(数理) | 現象を記述するための輪郭(座標)と代数(パラメータ)を数理モデルとして定義する領域。組織が問題を処理する計算プロセス基本原則を数理記述する。複雑性をトークナイズする。代数は実数、虚数ともに成立。 | Mathematics |
6 | Model(模型) | 世界の理解や再現のための理論的フレーム。原理や数理に基づいた抽象的な設計思想。数理定義された計算処理能力を生み出す実態構造を記述する領域。目的に応じた理想の計算能力を想定し、代数と式変形により計算資源の究極的な収束値を推測。トークナイズされた構造とパラメータを記述。 | Geometry |
7 | Axiom(公理) | 成長と投資の関係性を公式化する上で最も上位の公理を設定。人類が惑星において探索活動と自己複製を行う上で必須の公式とは。真実が担保された公式のことを公理という。資本利回り、成長。ROIC, BPS, EPS, Operating Leverageなど、さまざまなステークホルダーの間で疑いの発生しない指標。 | Planetary Intelligence Model™ |
8 | Equation(公式) | 特に、投資収益率判断・収益成長性評価の新たな仮説を公式化する。 | Equation |
9 | Theory(仮説) | 数理的な構造、公理、公式に関する新たな仮説の提案。 | Product Led Organic Growth™ |
10 | Ecosystem(生態) | 通常、組織はマーケットの一部であり、エコシステム全体でボトルネックを特定する必要がある。ブランド、オープンソースエコシステム、公開市場、グローバルサプライチェーン、地政学 | Energy Nexus Framework™ |
11 | Standardization(標準) | 業界全体をイノベーションエコシステムとして捉え、集合知によりリソースの効率化を図る。株式市場などのInterconvertibilityもStandardizationの一部 | Less Local Minimum™ |
12 | Interface(接続) | APIエコシステムを構築するためのインターフェース設計、マーケットプレイスもインターフェースの一部 | Civil Materialization Module™ CMM™ |
13 | Structure(構造) | Modelに基づき、現実世界における論理的・数理的な秩序や関係性の最適配置を目的として実現手段を制限せず骨組みを定義。Organization(法人格)。上位の階層を前提に法人化する国、業態、階層構造を法律、会計、税務的に定義。 | Least Action Structure™ |
14 | Architecture(設計) | Modelを実環境に具体的に実装するための設計図。テクノロジー選定、レイヤー分割、インターフェース定義など。技術進化によりコンポーネントが変わったとしても部分廃棄できる骨組み。 エコシステム:DDD(Domain-Driven-Design) インターフェース:API、多言語対応、各国プライバシー法対応、Cookie 複製能力:スケーラビリティ、マルチテナント 代謝能力:マイクロサービス 外骨格:セキュリティ、IAM、ネットワーク、ロジスティクス、 免疫構造:環境分類(ステージング・プレプロ・本番)、SRE用監視・ログ、グロース用アナリティクス、UI / レスポンスパフォーマンスログ管理 内部情報処理構造: ファンクション、ユーザー機能、ビジネスロジック、ER図、UI,UX 要素コンポーネント:テックスタック、サーバ、データベース、デバイス、センサー、各種OSS、3rd Party | Well-Archited Modular Model™ |
15 | Technology(技術) | Architectureを実行するためのEnvironmentリニューアル。 Security, IAM, Infrastructure, Device, IDEなどのEnvironmentをアップデートしていく。 | Technology |
16 | Assets(資産) | 有形固定資産。Property, Plants, Equipments。 無形固定資産。商標、知財、ソフトウェアなど | Wealth Intelligence |
17 | Operating Functions(実装) | Financial Returnを生み出すための組織機能配置。GTM Strategy(Go-To-Market戦略)とCorporate Finance(コーポレートファイナンス)Law(法務)・Accounting(会計)・Privacy(プライバシー)・Security(セキュリティ)・Quality(品質)Sales,Engineering,Manufacturing(製造)、Logistics(物流)、Procurement(調達)の各モジュールを組織的に配置。 | GUIDELINES |
18 | Assembly Process(工程) | Functionを実行するためのBoolean Algorithmによる業務プロセス。CICD, Qualyty Assuarance, Security Operation Center, Site Reliability Engineering, Revenue Operation, Threat Led Penetration Testingなど | Attention Based Assembly™, |
19 | Components(構成要素) | 各部門における必要資源、アウトソーシング。現代的ビジネスは装置やデータで動くため「人材」「部署異動」なども要素領域に還元されてしまっている。 | Software Composition Analysis |
🧩 各階層の関連性と応用例
以下は、日々のオペレーション、システム実装の際にGAASの上位階層がどのように役立つかの応用例を記載。
No | GAAS™階層 | 応用事例・実装例 |
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1 | Philosophy(哲学) | 「時間は命そのものである」 → 売上も、投資も、すべては時間資本最適化のために存在するという根源的思想 |
2 | Proposition(命題) | 「価値とは、ユーザーが到達したい状態への最短経路である」 → UX・UI設計やGTMの根幹となる判断基準 |
3 | Logic(論理) | NP-Complete問題の回避。空間・ランダムネスを削り、T(時間)問題に集中投資。 → MVPとテストの優先順位設計 |
4 | Principle(原則) | Least Action Principle™ → 「最小の資源投入で最大の仮説検証成果を得る」ための運用ルール(仮説検証型運営) |
5 | Mathematics(数理) | KPIピラミッド、ARRモデル、成長率r、LTV/CAC比などを変数として定式化し、投資回収モデルを構築 |
6 | Model(模型) | スタートアップの成長段階をモデル化。標準模型に応じたプロダクト・製造・流通設計を実装 |
7 | Axiom(公理) | 「まず売ってから作る」「資本を使うのは、限界利益が予測可能になってから」「Law of Scale」「ユニットエコノミクス」→ 投資判断の絶対原理 |
8 | Equation(公式) | MRR Growth Metricsのトラッキングの方がアーキテクチャーやテクノロジーよりも上位であるということの理解 |
9 | Theory(仮説) | 現在のプロダクトアーキテクチャは将来検証される仮説や、将来発見される公式、公理に劣後する |
10 | Ecosystem(生態系) | エコシステムやネットワーク効果はプロダクトに優先する。プラットフォーム連携・サプライチェーン連動・地域金融・産官学連携などのLess Local Minimum™戦略 |
11 | Standardization(標準) | AppleはiOSで、GoogleはAndroidでグローバル標準を作りに行っている。しかし標準も、その上位概念である生態系には劣る。 |
12 | Interface(接続) | MicrosoftはソフトウェアエコシステムをクローズドにしようとしたがオープンエコシステムのJava, Javascriptに追い抜かれた |
13 | Structure(構造) | 法人はエコシステムに従属している。どんなに大きな資本を持っていても、マーケット、ユーザー嗜好の大きな流れに逆らうことのできる1法人はいない。 |
14 | Architecture(設計思想) | Well-Architected Modular Model™で、技術が陳腐化しても容易に廃棄、再利用可能・差し替え可能な非モノリシックな設計構造を採用 |
15 | Technology(技術) | IAM, Infrastructure, Device,IDEなどの技術環境は、ソフトウェアコンポーネント よりも上位である。Apple, m365, AWS, Azure, GCP, Salesforce, Oracle, Software Component Management, API Management |
16 | Assets(資産) | 無形資産(ブランド、ソフトウェア、IP)、有形資産(量産設備、物流ネットワーク)は実装の上位にある |
17 | Operating Functions(実装) | SaaS MVP → ユニットエコノミクス → 投資増産 → スケール 売る→増産→売る→増産(または減産→アセットリアロケーション)のオペレーション |
18 | Assembly Process(工程) | Functionを実行するためのBoolean Algorithmによる業務プロセス |
19 | Components(構成要素) | 各機能に必要な人材、テックスタック、3rd Party SaaSツール、API連携など 例:セールス人員、Adobe、Figma、Githubなど |
⚙️ Architectureの具体的構成
⚙️ Operating Functions の具体的構成
Function | 説明 | GAAS的意義 | 主な構成要素 |
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GTM Strategy | Definition,Naming,Branding,Marketing, Channel,Delivery 製品・サービスを「誰に」「どう届けるか」を設計する | 成長再現性の設計(Product Led Organic Growth™) | 市場分析、ペルソナ、チャネル設計、価格戦略、ファネル管理 |
Corporate Finance | 資本戦略と資金調達、ROI設計を担う | Capital Yield Control™ による投資効率の最大化 | 資金調達、バリュエーション、資本政策、CF予測 |
Law | リーガルリスク回避と法的信頼性担保 | スケーラブルな事業成長の防波堤 | 契約書、知財、規約、コンプライアンス、法務DD |
Accounting | 企業活動を財務的に記録・可視化する | 財務健全性と予実管理のベースライン | PL/BS/CF、IFRS/GAAP、税務処理、月次決算 |
Privacy | 個人情報保護と同意管理を担う | グローバル市場での信頼構築と法対応 | GDPR/CCPA、同意取得、データ削除、プライバシーポリシー |
Security | 情報資産とインフラを保護する | 事業継続性と信用リスク低減 | IAM、WAF、暗号化、脆弱性対策、SOC2 |
Quality | 製品・サービスの品質を保証する | LTV最大化とチャーン抑制 | QA自動化、E2Eテスト、SLA/SLO、バグ管理 |
Sales | リード獲得・商談化・契約獲得を担う | 収益を生み出す事業の燃焼装置 | CRM、商談管理、契約管理、リテンション施策 |
Engineering | プロダクトを開発・保守・運用する | Architectureの具現化と高速反復 | CI/CD、API、モニタリング、マイクロサービス設計 |
Manufacturing | 製造・量産体制の確立 | 試作→量産移行による成長基盤の構築 | DFM、BOM、生産管理、Elastic Production System™ |
Logistics | 流通・配送・返品を管理 | UX・LTV・在庫効率を左右する中核機能 | WMS、3PL、在庫最適化、逆物流 |
Procurement | 必要資材の調達とコスト管理 | 成長に合わせたコスト構造最適化 | サプライヤ選定、PO、納期管理、調達戦略 |
⚙️18. Assembly Process の具体的構成
⚙️19. Operating Functions の具体的構成
🚨 番外編|GAAS™の上流階層が欠如した場合の主な弊害
これらはイノベーションを起こそうとするアクションをスタートアップや大企業が取る場合に陥る組織の罠の累計です。Common Failure in Civil Materialization™
観点 | 弊害 | 説明 |
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1. 戦略なき最適化 | 「つくるためにつくる」現象 | R&DやEngineeringが機能強化や技術負債解消を目的化し、顧客価値や市場ニーズとの乖離が生じる。売上に繋がらないプロダクト改修が増える。 |
2. 売上至上主義の短期化 | Salesドリブンな場当たり戦略 | PhilosophyやPrincipleなしに売上目標が先行すると、無理な案件受注や仕様変更が増え、組織全体が疲弊・分断される。 |
3. 投資判断の歪み | 「売れたから作る」→「赤字拡大」 | 数理(Mathematics)によるLTV・CAC・ROIの裏付けがなければ、短期収益を優先した投資が長期的に損失を招く。 |
4. 組織分断とサイロ化 | 共通言語・原則の欠如 | Principleが共有されていないと、部門間で目標や価値基準がバラバラになり、意思決定が合意されず摩擦が増える。 |
5. テクノロジードリブンの過剰投資 | 「つくりすぎ」問題 | Engineering部門が自らの理想のために、検証前にプロダクトを複雑化させ、ROIが見込めない無駄な実装が増える。 |
6. KPIに振り回される運営 | 「KPIは達成したが、顧客は離れていった」 | 数理モデルの欠如により、KPIが実態を反映せず、評価制度や優先度が歪む(例:DAU増加≠売上成長)。 |
7. フィロソフィーなきカルチャー崩壊 | 短期成果で評価される文化 | 組織が「なぜこの事業をやっているか」を見失い、理念や中長期的ビジョンを持つ人材が離れていく。採用にも影響。 |