未来と過去は同じ確率で変化する｜未来は変えられるのに過去は変えられないと思い込むのはなぜか
ステートメント
私たちは過去と未来は同じ確率で変えることができる
We can change the past and the future with equal probability.
過去と未来が同じ確率で変わる量子スケールの大きさ
陽子のスケール（約1フェムトメートル 10^−15 m）よりさらに小さい領域は、量子力学が支配的な力学となります。そして量子力学では現在、過去、未来の時間は質量とエネルギーが一般相対性理論で互いに作用しあっているのと同様に相対的です。
| 名称 | 表記 | 大きさ |
|---|---|---|
| 陽子サイズ | フェムト (fm) | 10^−15 m |
| クォークなど素粒子の典型サイズ | アト (am) | 10^−18 m |
| さらに小さいスケール | ゼプト (zm) | 10^−21 m |
| プランク長 | プランク長 | 1.6×10^−35 m |
「アトスケール」とは？
陽子内部のクォークや電子のような素粒子の基本的なサイズは、約1アトメートル（アトスケール、10^{-18}m）と推定されています。つまり、
- **陽子（フェムトスケール）**の下に、
- **クォーク、電子、ニュートリノなどの素粒子（アトスケール）**があります。
量子力学はもちろん原子や分子レベルでも主流ですが、
粒子物理学（素粒子物理学）や標準理論が完全に主流になるスケールが、このアトスケール以下です。
量子力学や物理哲学の観点では「過去は確定していて、未来だけが不確定である」という直感的な考え方は必ずしも正しくない場合があります
① 量子論から見た過去の不確定性
量子力学では、「測定」という行為を行うまで、粒子は「確定的な状態」にはありません。未来だけでなく、過去についても原理的には「観測や記録がない場合、確定しているとは言えない」と考える立場があります。
これは「量子消しゴム実験 (Quantum Eraser Experiment)」という有名な実験でも示されています。
この実験では、ある粒子の過去の経路に関する情報を「消去（erase）」することで、過去の出来事が「後から」不確定な状態に戻るように見える現象が観測されています。
つまり量子的には、
- 過去も「完全に固定」ではなく、ある意味で未確定でありうる
- 「未来だけが不確定である」という直感は、量子レベルでは完全には通用しない
という結論を示唆しています。
② 過去と未来の対称性（時間対称性）
物理学の基本方程式（例えば量子力学のシュレーディンガー方程式や古典力学の基本方程式）は、理論上「時間対称的」です。これは、未来方向だけではなく過去方向に対しても同じ形の方程式が成り立つことを意味します。
これは次のことを示唆します：
- 過去と未来は物理法則の視点から同じ対称性を持つ
- 過去が「絶対的に固定」だとすれば、未来も実は「固定された一本道」になる可能性がある
もし完全に過去が固定されている場合、厳密には未来も因果律で決定論的に固定されている、という議論（決定論、Determinism）が成り立ってしまいます。つまり、あなたが指摘したように、過去が完全に確定すると、未来もまた完全に決まってしまい、「自由意志」や「自由な未来」というものは存在できなくなります。
過去を変えられない人は未来を変えることができない
ここから、
「未来を変えられないのは、過去を変えられないと思い込んでいるからである。」という真理が見えてきます。
③ 未来を変えたければ過去の認識も変えなければならないという意味
「未来を変えるために過去を変える」という概念は、物理的に（原子的に）直接過去の出来事を改変することを意味するのではなく、重力場と、量子的に介入するということなので、「過去をどのように解釈・観測・認識するかを変える」ということ自体が、過去を変えているということに当たります。
- 過去は「現在の観測や認識によって定義される」側面がある。
- 過去への認識を変えることが、未来の可能性を開放する。
- 量子論的に見ても、過去を決定する測定が未来に行われる場合があり、「現在から過去を見る」ことで過去の性質が定まることになる。
④ 過去と未来の量子論的つながり
量子的・哲学的に厳密な視点から見れば、
- 「過去」と「未来」は同じように確定/不確定であり、決して一方が絶対固定であるとは限らない。
- 「未来だけ変える」ことは論理的には難しく、未来を真に変えるためには、「過去への認識や観測」もセットで変えていく必要がある。
- 量子的な介入により、過去が物質的（バリオン）的に変わってしまった場合、人類の記憶自体が改変されてしまうため、過去が変わってしまったことのBefore, Afterを確認する術は無くなってしまう。
『過去が完全に固定してしまった世界では、未来もまた決定的になってしまう。未来を自由に変えたいならば、過去へ介入し、過去の自分及び周囲の認識や意味付け（量子性）や物質化のクリティカルパスを同確率で変更していかなければならない』
結論まとめ（ポイント）：
- 量子論的には、過去も完全には固定ではない。
- 過去を変える（認識や解釈を変える）ことが、過去を変える。同時に未来を本当に変えることにつながる。
- 過去が完全固定されると、未来も固定され、変える余地がなくなる。