Shockley diode equation|半導体のPN接合特性(ショックレー方程式)
半導体のPN接合特性(ショックレー方程式)について
- 発表者: ウィリアム・ショックレー(William Shockley)
- 生年・生誕地: 1910年、イギリス・ロンドン
- 発表場所: アメリカ合衆国(ベル研究所)
- 発表年: 1949年
ショックレー方程式(Shockley diode equation)
ショックレー方程式は、PN接合ダイオードにおける電流-電圧特性を記述する方程式です。
\[I = I_S \left[ \exp \left(\frac{qV}{n k_B T}\right) – 1 \right]\]ここで、各記号の意味は以下の通りです。
- I: ダイオードを流れる電流
- IS: 飽和電流(逆方向飽和電流)
- q: 電子の電荷
- V: ダイオードに印加される電圧
- n: 理想因子(一般的に1~2の範囲)
- kB: ボルツマン定数
- T: 絶対温度(ケルビン)
この方程式は、半導体デバイスの基本的な動作原理の理解や設計に広く使用されています。
PN接合ダイオード
「PN接合」の『P』と『N』は、半導体内の キャリア(電荷を運ぶ粒子)のタイプ を示しています。
- P型半導体(Positive)
正(プラス)の電荷を持つキャリア(正孔:ホール)が多数存在する半導体。 - N型半導体(Negative)
負(マイナス)の電荷を持つキャリア(電子)が多数存在する半導体。
つまり、『P』は Positive(正)、『N』は Negative(負) の略です。
これら2種類の半導体を接合したものが PN接合(PN junction) と呼ばれます。
PN接合ダイオードとは、半導体の中でP型(正孔が多数存在)とN型(電子が多数存在)の領域を接合して作られた電子部品です。接合部には「空乏層」と呼ばれる特殊な領域が形成されます。
特徴
- 整流作用:
- 順方向(P側に正、N側に負の電圧)では電流が流れやすく、逆方向では電流がほとんど流れない性質を持ちます。
用途例
- 電源回路における整流(交流を直流に変換)
- スイッチング回路
- 検波回路(高周波信号の整流)
- 電圧クランプ回路、保護回路
PN接合ダイオードは半導体電子部品の基本的な構成要素であり、トランジスタ、LED、太陽電池など多くの電子機器やデバイスの基礎としても利用されています。