アンチバース|プランクユニットの反対側の宇宙

ビッグバンの瞬間、宇宙には物質(マター)と反物質(アンチマター)が等量生成されたと考えられている。しかし、現在の観測可能な宇宙にはほとんどアンチマターが存在せず、マターが支配的である。この「バリオン数非対称性」の問題は、宇宙論の大きな未解決問題の一つである。
1. プランクユニットの視点から見たアンチバースの可能性
物理学では、プランクユニット(Planck Units)が時空の最小スケールを定める自然単位系として用いられる。特に、プランク長(lP)とプランク時間(tP)は、量子重力の影響が支配的になるスケールであり、時空の連続性が破れ、量子的なゆらぎが支配的になる領域を示している。
この極限スケールにおいて、ビッグバンの際に発生したマターとアンチマターが、単純に対消滅するのではなく、プランクスケールのゆらぎにより、互いに分離し、異なる時空領域を形成した可能性があるのではないか。
2. 球空間としてのアンチバースの形成
もし、ビッグバンの際にマターがプランクユニットの正の時間軸側に広がったとするならば、アンチマターは負の時間軸側、あるいは「虚数的な空間」へと広がり、球状の対称な「アンチバース(反宇宙)」を形成した可能性がある。
(1) 時空の対称性とアンチバース
- 宇宙の対称性を考えると、CPT対称性(荷電共役変換C、パリティ変換P、時間反転T)が全宇宙に適用されるならば、マターバースの反対側にアンチバースが存在する可能性がある。
- これは、「マターの宇宙(マターバース)が正の時間軸に広がるのに対し、アンチマターの宇宙(アンチバース)は逆向きに広がる」と解釈できる。
(2) 球対称な時空分布
- もしアンチマターがビッグバンの際に球対称に広がったなら、現在の宇宙の「向こう側」に、光速を超えて遠ざかる形で存在する可能性がある。
- これが、現在観測されるダークエネルギーやダークマターの正体の一部を説明する可能性もある。
- ビッグバンから数百億年たった距離にあるアンチマター、マターが量子もつれのような機能を持つ場合互いに量子もつれを起こし、作用が相関している可能性がある。、この相関が情報を伝えるために使用できるわけではないが量子もつれの存在自体は、空間的に離れた粒子間に「連動」があることを意味する。
3. アンチバースの影響
もしアンチバースが存在するならば、現在の宇宙に対して何らかのフィードバックを与えているはずである。
その影響として、次のようなものが考えられる。
(1) ダークエネルギーの正体?
- アンチバースがマターバースと反発的な重力相互作用を持つならば、それが宇宙の加速膨張(ダークエネルギー)の原因になっている可能性がある。
(2) ダークマターとして観測される可能性
- もしアンチバースとマターバースの間で、非局所的な重力相互作用が存在するならば、それは観測可能な宇宙のダークマター分布と一致する可能性がある。
(3) 重力波の異常なシグナル
- アンチバースが存在するなら、重力波が「通常の波」と異なる異常なパターンを示す可能性がある。
- 現在の重力波観測で説明がつかないシグナルが、アンチバースの影響である可能性も考えられる。
4. まとめ
✅ ビッグバンで発生したアンチマターが、プランクユニットのスケールで球空間に広がり、反宇宙(アンチバース)を形成した可能性がある。
✅ アンチバースは、CPT対称性を持ち、マターバースとは異なる時空領域に存在するかもしれない。
✅ もしアンチバースが存在するなら、ダークエネルギーやダークマターの正体としての影響が考えられる。
5. 結論
アンチバースがプランクユニットの対称な領域として形成されたなら、それはマターバースと相互作用しながらも直接観測されない球空間の形をとる可能性がある。もしこの理論が正しければ、宇宙の構造や暗黒物質、加速膨張のメカニズムに新たな視点を与えることになるだろう。