セキュリティチェックシート|OTA環境IoT SaaSに対する脅威ベースのペネトレーションテストシナリオ(TLPT:Threat-Led Penetration Testing)

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セキュリティチェックシート|OTA環境IoT SaaSに対する脅威ベースのペネトレーションテストシナリオ(TLPT:Threat-Led Penetration Testing)

Product-Led Organic Growth™が実現しやすいOTAアップデート対応のIoT SaaSサービスのセキュリティチェックリストについて。

OTA環境IoT SaaSに対する脅威ベースのペネトレーションテストシナリオ(TLPT:Threat-Led Penetration Testing)

OTA環境を持つエッジデバイスプラットフォーム型SaaSに対して攻撃者視点でシステム全体の脅威をシナリオベースで作成、評価し、脆弱性とリスクを体系的に洗い出すことを目的とする。

1️⃣ 【事前準備・スコープ設定】

  • テスト範囲(デバイス、ネットワーク、クラウド、アプリ、API)を明確に定義
  • 脅威インテリジェンス情報(業界特有の攻撃事例や既知の脅威)を収集し、脅威リストを作成
  • 関係部署(情報システム、開発チーム、外注先)とのテスト許可およびコミュニケーションを明確化
  • 緊急連絡先やインシデント発生時のエスカレーションプロセスを確認

2️⃣ 【脅威シナリオの特定と策定】

  • 攻撃者がデバイスへの物理的アクセスを行うシナリオを作成
  • 店舗Wi-Fi・LANを経由した不正アクセスシナリオを作成
  • OTAアップデートファイル改ざん・不正アップデートのシナリオを作成
  • AWSクラウド(IAM, API, DB, S3)に対する脅威シナリオを作成
  • 管理画面(WEBコンソール)への侵入シナリオを作成
  • スマートフォンアプリへの侵入・APIのリバースエンジニアリングのシナリオを作成
  • 運用PC(デプロイ用)の感染・踏み台攻撃シナリオを作成
  • 外注先を起点とするサプライチェーン攻撃シナリオを作成

2️⃣ 【脅威シナリオごとのテスト項目】

🔹 店舗エッジデバイスへの攻撃シナリオ

  • USB、LAN経由のマルウェア侵入試験
  • Wi-Fi中間者攻撃(MITM)試験
  • VPN未使用時の通信傍受試験

🔒 OTAアップデート関連試験

  • OTA配信チャネルのTLS通信脆弱性診断
  • OTA配信ファイルの署名検証(署名バイパス試験)
  • OTA配信サーバーへの不正アクセス(認証突破テスト、WAFテスト)

2️⃣ 【クラウド(AWS)環境に対する侵入テスト】

  • IAMの権限エスカレーション試験
  • クラウド設定ミス(S3バケット公開状態等)のスキャン
  • API Gatewayに対する攻撃(認証バイパス、トークン漏洩、JWT不正利用)
  • AWS管理コンソールへのブルートフォース攻撃試験
  • CloudTrail・CloudWatchログの改ざん可否検証

📱 スマートフォンアプリ・APIに対するテスト

  • アプリケーションのリバースエンジニアリング(難読化の妥当性検証)
  • 証明書ピンニング未設定による通信傍受検証
  • API通信に対する認証バイパス攻撃試験(ブルートフォース、トークン改ざん、リプレイアタック)

🖥 運用・デプロイ用PCセキュリティ試験

  • フィッシングメールを用いた攻撃シミュレーション
  • マルウェア感染シナリオ(USB経由感染、添付ファイルによる感染)試験
  • デプロイPC経由でAWS環境への不正アクセスを試みる踏み台攻撃シナリオ試験

🌐 【店舗ルーター・ネットワークセキュリティ試験】

  • 店舗ルータのファームウェアバージョン脆弱性診断
  • ネットワークポートスキャン・侵入試験
  • 未承認デバイスの接続を試すWi-Fi認証突破試験(WPA2-PSK脆弱性試験等)

📋 【テスト実施記録・報告体制の構築】

  • ペネトレーションテスト実施記録を体系的に収集・記録
  • 発見された脆弱性をリスク評価し、レポート化・トレーサブルな改善指示書を作成
  • 緊急性の高い脆弱性やクリティカルな発見事項を経営層に24時間以内にエスカレーションする体制を構築

🔧 【改善策・フィードバックサイクルの構築】

  • 発見された脆弱性に対して速やかな修正計画を策定・実行
  • 修正後に再テストを実施し、脆弱性が完全に解決されていることを検証
  • ペネトレーションテスト結果を定期的(年1回以上)に経営層・関係部署に報告し、継続的な改善サイクルを確立

🚩【まとめ:チェックリスト項目(要約版)】

領域チェック項目(代表例)
スコープ設定脅威シナリオの事前策定・共有
エンドポイントWi-Fi傍受、物理攻撃、OTAファイル検証
クラウドAWS設定監査、API攻撃試験、権限エスカレーション
WEB管理画面認証突破・二段階認証試験
スマホアプリ・API通信傍受、リバースエンジニアリング試験
運用PC(デプロイ端末)マルウェア感染、踏み台攻撃試験
外注先(サプライチェーン)委託先のセキュリティ監査