コンピュータ言語の進化の歴史

プログラミング言語の進化は、産業のデータ活用ニーズ、ハードウェア、ネットワーク、ソフトウェアの発展に応じて加速し、セキュリティ・API・オープンソースの影響でより多様化してきた。今後は、量子コンピューティング・自律AIの発展によって、新たな言語が登場するだろう。

1. 1940年代〜1950年代：初期コンピュータと機械語・アセンブリ

代表言語: 機械語（Binary）、アセンブリ（Assembly）

代表言語: FORTRAN（1957年）、COBOL（1959年）、Lisp（1958年）

要素	影響
産業のデータベース用途要請	企業向けのデータ処理が始まり、COBOLが開発される。
ハードウェアデバイス	トランジスタ（1950年代）が普及し、IBM 1401（1959年）など商用計算機が登場。
ソフトウェアアプリケーション	科学技術計算（FORTRAN）、ビジネス処理（COBOL）、AI研究（Lisp）。
ネットワーク	依然なし。ただしバッチ処理の概念が進化。
セキュリティ	限定的。
APIエコシステム	初期の数学ライブラリなどが登場。
オープンソースコミュニティ	大学間の知識共有が始まる。

代表言語: C（1972年）、SQL（1974年）、Smalltalk（1972年）、Pascal（1970年）

要素	影響
産業のデータベース用途要請	RDBMS（関係データベース）が発展し、SQLが標準化される。
ハードウェアデバイス	IC技術の進化により、ミニコンピュータ（DEC PDP-11）が普及。
ソフトウェアアプリケーション	Unix（C言語ベース）が開発され、OSの標準化が進む。
ネットワーク	ARPANET（1969年）が登場し、遠隔通信が可能に。
セキュリティ	Unixのマルチユーザー環境が登場し、アクセス制御が必要になる。
APIエコシステム	Unix標準ライブラリが生まれ、ソフトウェアのモジュール化が進む。
オープンソースコミュニティ	BSD Unix（1977年）が開発され、OSSの萌芽。

代表言語: Java（1995年）、JavaScript（1995年）、Python（1991年）、PHP（1995年）

要素	影響
産業のデータベース用途要請	ERP、CRMなどの企業向けデータベースアプリケーションが拡大。
ハードウェアデバイス	PCが普及し、個人がコンピュータを所有する時代へ。
ソフトウェアアプリケーション	GUIアプリ、Webアプリが急成長。
ネットワーク	インターネットの商用化により、Web開発が重要に。
セキュリティ	Webサーバー攻撃（SQLインジェクション）が問題化。
APIエコシステム	Web向けAPI（CGI、Servlet）が普及。
オープンソースコミュニティ	Linuxカーネル（1991年）、Apache Webサーバー（1995年）などのOSSが拡大。

代表言語: C#（2000年）、Ruby（2004年）、Swift（2014年）、Kotlin（2011年）、Go（2009年）

要素	影響
産業のデータベース用途要請	クラウドDB（AWS RDS）、NoSQL（MongoDB、Cassandra）が普及。
ハードウェアデバイス	スマートフォンの普及により、モバイルアプリの需要が増加。
ソフトウェアアプリケーション	Web 2.0（動的Webアプリ）、ソーシャルメディアが登場。
ネットワーク	クラウドコンピューティング（AWS、GCP、Azure）が標準化。
セキュリティ	OAuth、HTTPSが標準化。
APIエコシステム	REST APIの普及により、マイクロサービスが一般化。
オープンソースコミュニティ	GitHub（2008年）が登場し、OSS開発が主流に。

代表言語: Rust（2010年）、TypeScript（2012年）、Julia（2012年）、Dart（2011年）

要素	影響
産業のデータベース用途要請	ビッグデータ・機械学習向けDB（Snowflake、BigQuery）が発展。
ハードウェアデバイス	GPU、TPU（AI向け）の発展。
ソフトウェアアプリケーション	マイクロサービス、コンテナ（Docker）が主流。
ネットワーク	5G、IoT、ブロックチェーンが発展。
セキュリティ	ゼロトラスト、ブロックチェーン技術が導入。
APIエコシステム	GraphQL、APIゲートウェイが標準化。
オープンソースコミュニティ	GitHub、GitLabのOSS文化が定着。