一般的な法人営業とTANAAKK GAAS事業部のポジショニングの違い

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一般的な法人営業とTANAAKK GAAS事業部のポジショニングの違い

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Dec 8th 2024
Shoichiro Tanaka, TANAAKK

TANAAKKのM&A Carve-out Practiceの法人営業の特徴

通常、営業部といえば、数万円または数百万円の製品やサービスを販売し、リードタイムも数週間から数ヶ月のものが多いと思いますが、TANAAKKが販売しているのは、機関投資家の要望に応えられるようなグローバルベンチマークを超えるROE(Return on Equity資本収益率)です。

通常、企業内にはグローバルベンチマークとともに、社内のハードルレートが設定されており、同一の会社も多いものの、リーディングカンパニーの取締役会ではグローバルベンチマークよりも高いROIC(Return on Invested Capital)またはROE目標が掲げられるケースもあります。

TANAAKKのGAAS(Growth-as-a-Service)は、新規事業を開始するための市場調査と予算策定サービスから始まりますが、通常、大企業の新規事業は3ヵ年予算5億円程度で開始されるため、リードタイムは半年から1年半、長いと事業開始までに3年以上の検討が行われる場合もあります。

大企業が新規事業を開始する場合、その予算規模は5億円前後になることが多く、5億円といえば、会社法上の大企業の定義と同等であるため、国内約180万社中の1.2万社、約0.6%しか存在していないような法人格を生み出しにいく作業に携わることになります。

GAAS法人営業の違い

つまり、M&A Carve-out Practice部でGAASを販売する際に求められる「営業」像は、比較的少額で、リードタイムの短い商品を販売する他社の法人営業とは大きく異なり、TANAAKKにおけるセールスは、株主から信任された取締役会が委託する執行役員会が新しく始める事業が、株主のROE、ROA期待に耐えうる収益性をもった事業であり、尚且つ、会計監査人の監査意見にも耐えうる事業であるということを証明する責任を負っていることとなります。そして、そのような大資本の事業が開始される確率は、国内企業を母数とすると0.6%であり、さらにそのような事業が株主への配当に耐えうる利益率を維持したまま成長できる事業を10年以内に生み出すことのできる確率は国内全法人に対して2万分の1の確率で、0.005%程度となります。(経済産業省調べ)

20年以内に年商が1-10億円から100億円以上に成長した企業は178社。急成長に付随して上場をした企業は12.5%、87.5%が非上場を維持した。令和5年度中小企業実態調査委託費(飛躍的成長を遂げた中小企業等に関する調査委託事業)報告書

GAAS法人営業に求められる役員会意思決定支援サービス

通常、5億円規模の新規投資を始める際に、1兆円規模の会社であっても複数の経営会議が必要になるケースが多く見られます。例えば、起案レベルでは部、課ですが、まずは末端子会社の執行役員会議での検討の上、取締役会で決議(4名程度の会議で過半数の賛成)、そして、親会社の執行役員会議での議案審議の上、親会社の取締役会で決議(8名以上の会議で過半数の賛成)されます。通常、新規事業は3年単月黒字、5年累積損失一掃の経験則が製造業にあるため、決議には最低でも5ヵ年計画、長くて10ヵ年計画が必要とされます。当初5億円の投資をして、売上高が3年後に5億円程度ついたとしても、年商1兆円規模の大企業にとっては吹けば飛ぶくらいの大きさで、株主に対しても経営陣に対しても全く期待に応えることはできません。さらに年商規模を100億円級、または1000億円級に成長させるためには資本が売上と同等額必要であるため、3年目以降は内部調達、または外部調達により、追加年間10億円以上の投資予算を確保することになります。

GAAS法人営業が調達すべき資本規模

したがって、顧客の平均年商が1兆円を超えるTANAAKKの法人営業が構想すべき資本調達条件は、最低でも10年間で100億円を調達、100億円の年商をつくり(資本回転率100%)、ROEでベンチマークを超えるという条件となります。2024年時点の情報を前提とすると、100億円の調達により、ROEのグローバルベンチマークである13%(SPY,VTI)を超えるような計画を実現する必要があります。通常、前半5年間は十分な営業キャッシュフローを産むことができないケースが多いため、後半5年間で、前半5年間ゼロまたはマイナスであったリターンを回収する必要があるため、後半のROEは13%を上回っている必要があります。例えば売上は年間30%成長を維持しながら、ROEは15%を維持するなど。簡潔にいえば、100億円を資本として使い、年間15億円の利益を毎年提供することができれば、理論的には世界中の金を集めることができるということです。

SPY historical 10y performance
VTI historical 10y performance

GAAS事業部に求められる真理

GAASの思想は物理法則や資本主義経済の根幹思想に大きく依存しています。理論上はグローバルで容易に置換可能ないくらでも購入できるコモディティ商品(リスクフリー資産)が米国債だとして(2024年で約4%台のリターン)、米国債に付随してインフレーションに連動した資産運用のベンチマークになっている米国のリーディングカンパニーインデックス(VTI, SPY 10年平均で約13%のリターン)が、機関投資家や個人投資家が容易にアクセスできる最も投資公式が確立したゴールドスタンダードだとすると、GAAS事業部が証明すべきことは、GAAS事業部がジョイントベンチャーで実施する新規事業が、13%を上回るIRRを生み出すということであり、理論上、1%でもベンチマークをアウトパフォームしていれば、(14%を上回る大規模な資本を活用したIRRを世界中どの企業も生み出せていないとしたら、)IRR14%でリスク(ボラティリティ)がVTI, SPYより低いのであれば世界を牛耳ることができるということになります。

世界最大規模のトップパフォーマーの成績

一方、機関投資家が容易にアクセスできるリスク分散されたアセットクラスが米国株インデックスだとして、個別銘柄について、2024年12月時点で世界最大規模の純利益を生み出している企業が1. Saudi Aramco $216.88 B, 2. Berkshire Hathaway $138.32 B, 3. Apple $123.21 B, 4. Alphabet $112.26 B, 5. Microsoft $110.77 Bであり、それぞれの2024年12月時点でのLTM(latest twelve month)ROAはSaudi Aramco 16.7%, Berkshire Hathaway 9.9%, Apple 26.1%, Alphabet 22.8%, Microsoft 18.7%となるため、理論上は、AppleのROAである26.1%をたった0.1%でも超えるようなリターンをUS$100billionのEarnings規模で生み出すことのできる新規事業を立案することができれば、あらゆる必要となるコモディティ、原材料、人材は容易に集められることになります。

念の為、Earnings 世界6位以降の次点を確認してみると、6. NVIDIA $73.16 B, 7. JP Morgan&Chase $69.03 B, 8. Meta $64.51 B, 9. Amazon $62.50 B, 10. ICBC $58.33 Bで、ROAはそれぞれNVIDIA 84.0%, JP Morgan&Chase 1.3%, Meta 23.5%, Amazon 9.3%, ICBC 0.80%となり、Earnings Global Top6-10のうち、Top 5と入れ替えのあるポテンシャルエネルギーを持つ企業はNVIDIAとMetaであると結論づけることができます。時価総額ではTop10に入っているTeslaを見てみると、Earnings $8.73 B、ROA 11.9%であり、現在の成長性を保ちながらこのROAを維持することができれば、純利益規模、投資効率のどちらかを上回るBerkshire HathawayやAmazonに並ぶ可能性はあるといえますが、純利益規模、投資効率のどちらも下回るApple, Alphabet,Microsoft, NVIDIA, Meta, Saudiaramcoに時価総額以外で勝つことは構造的な改革なしには不可能と言えるため、構造的には投資効率上位の企業には見劣りします。

確率が収束した数字は不思議と美しい数字になることがありますが、VTI, SPYがIRR13%のところ、Appleの投資収益率ROAが26%で約2倍で素数に近似しているというのは興味深い関係かと思います。

GAASが証明すべき真実

『投下資本に対する、グローバルベンチマーク(26.1%,as of Dec 2024)をたった少しでもうわまわる資本収益率を生み出す事業モデルを起案することができれば、理論上はあらゆるリソースが手に入る』というのが、GAAS事業部に求められる真理であり、 証明していくべき、他の人がほとんど知らない暗黙のルールとなります。現在物理現象を説明するために記述されている公式(例えばApple)よりも、より省エネルギーで世界を記述する方法を立案することができれば、あとは時間の問題で、山の上の水が、海抜の低いところに落ちてくる、位置エネルギーの法則と同じ現象が起こることとなります。

ただし、国内で年商規模100億円の事業を20年以内に生み出す確率がわずか1万分の1であることから、GAAS事業部の活動は、決まりきったプロセスをベルトコンベアのように進めるdeterministic turing machineではなく、事業投資の週次管理において、不要な情報を間引きしながら、Luckiest possible resultsを生み出す、Non deterministic turing machineのゲームであることを深く認識する必要があります。Luckiest possible guesserが世の中の覇権を決めるというのは1602年にオランダで設立された東インド会社に始まる伝統的な貿易船への株式投資と似通っているとともに、R&Dへの投資により覇権国家が決定した20世紀、今の21世紀のAI時代の背景思想にも通ずるのではないかと思います。その背後には現象を正しく記述する公式を発見、運用し、新たな例外現象の発見により公式自体を改善していくという紀元前より人類に流れる伝統的な数論、物理学の姿勢が暗黙の了解として座しています。