導入事例 icuco×OracleNetSuite|HITSERIES®︎RevOps
2023/7/28
OracleNetSuiteで前年同月比1,600%増収のハイパーグロース基盤を確立|医療機器IoT SaaS
IoTセンサーを用いた子育て支援、保育支援のSaaSを提供し、売上げを急速に伸ばしているのが2018年5月に設立されたスタートアップ企業、icuco株式会社(以下、icuco)だ。
同社は、Tanaakk株式会社(以下、
TANAAKK)による支援のもと、オラクルのクラウドERP「OracleNetSuite」(以下、NetSuite)を導入。事業のハイパーグロース(劇的な成長)を実現するためのシステムとして有効に活用している。
導入ソリューション
HITSERIES®︎RevOps
-Oracle Netsuite
導入前の課題
●事業の成長に伴い表計算ソフトを使った事業管理が限界に達していた
●部品発注や在庫確認、入金確認などを高効率に行える仕組みが必要とされた
●事業のグローバル展開にも対応可能な業務プロセスと経営基盤の確立が急がれた
導入後の成果
●部品・半完品・完成品在庫のリアルタイムの可視化が実現された
●販売予測の正確性アップや経営指標の見える化で意思決定の的確性、スピードが向上
●事業のグローバル展開をも支えうる業務プロセスと経営基盤が確立できた
NetSuiteの導入でハイパーグロースの基盤を確立
icucoは、輸送用機械・器具のメーカーとして80年超の歴史を有する武蔵精密工業株式会社(以下、武蔵精密工業)の社内プロジェクトから生まれた。icuco 代表取締役CEOの柳瀬 陽一氏が、武蔵精密工業による新規事業
創 出 プ ロ グ ラ ム「Musashi Innovator’sGate 2017」で最優秀賞を受賞して起業。「子育てをHAPPYにし、ワクワクする家族を増やす」というビジョンのもと、IoTセンサーを活用した保育支援のサービスと関連製品の企
画・開発・製造を手掛けている。
icucoの主力プロダクトは、乳幼児の睡眠状態をチェックするSaaS型サービス「icuco®touch & care」だ。2020年にリリースされた同サービスは、保育施設で昼寝(午睡)中の乳幼児をIoTセンサーで見守り、寝姿勢を自動で記録したり、呼吸、体動、睡眠の深さ、体温の変化をセンシングし、異常が認められた際にIoTセンサーと連動するアプリに通知したりする機能を提供している。
柳瀬氏 icuco®︎touch & careはコストパフォーマンスにも優れ、保育施設が地方自治体からの補助金に頼らずとも使い続けられるという特長を持つ。「icuco®︎touch & careと同様の機能を提供するサービスは他にもあります。ただし、それらの多くが補助金の使用を前提にした料金設定になっていて、補助金なしで導入し、使い続けるのが困難なものばかりです。そこで当社では、武蔵精密工業で培ってきた高品質・低価格のデバイスを量産化する技術とノウハウをフルに生かすことで、icuco®︎touch& careを低価格で提供し、保育業界の業務革新に貢献し続けようと考えました」
この考えが結果としてicuco®︎touch &care事業の成長につながった。柳瀬氏によれば、同サービスはリリース以来、解約率「ゼロ%」を維持しており、安価な料金体系を打ち出した2022年秋からは売上がみるみる伸び始め、2023年2月 に はicuco®︎touch &careの月商が前年同月の1600%に達した。のちも同サービスの売上は好調に推移し「2024年度末までには午睡チェックサービスの国内市場でNo.1シェアを獲得したい」と柳瀬氏は意気込む。
TANAAKKによる支援のもと成長を支える仕組みとしてNetSuiteを選択
そんなicucoの急成長を支えてきたのが、TANAAKKのサービス「HITSERIES®RevOps」であり、同サービスを通じて提供されたNetSuiteだ。TANAAKKは、武蔵精密工業のパートナーとしてMusashi Innovator’s Gateを通じて起業したスタートアップを支援する活動を展開している。icucoでもTANAAKKのHITSERIES®︎RevOpsを採用し、そのサービスの一つであるNetSuiteを活用している。TANAAKK 取締役COO 弁護士の青木 正芳氏は、HITSERIES®︎RevOpsについて次のような説明を加える。
青木氏「icucoのようなスタートアップ企業の成功、あるいはハイパーグロースに不可欠な要素は、優れた製品・サービスだけではありません。事業の収益目標を明確に定めたうえで、その達成に向けた戦略やプラン、それを確実に遂行するための体制、業務プロセス、システムを整えることが必要です。HITSERIES®︎RevOpsは、そうしたハイパーグロースに必須の要素を整えるサービスを網羅的に提供しています」
そのサービスをicucoに提供する中で、TANAAKKではicucoの成長にはERPが必須と判断し、各大手ベンダーERPとの品質、コスト、導入スピードを比較し、NetSuiteの採用を勧めたという。
「NetSuiteは、上場を果たした米国のハイテク系スタートアップの6割以上が使用しているERPです。その活用を通じて世界標準の業務のノウハウ・知見が取り込めるうえに『導入の敷居が低くスモールスタートが可能』『監査がしやすい』『経営指標がリアルタイムに可視化できる』『在庫管理など、製造業のビジネスモデルに適合した機能が充実している』といった特長を備えています。それはまさにicucoに最適なERPであり、同社の成長に資する仕組みとなりうると判断しました」
この言葉を受けた柳瀬氏は、NetSuiteの採用を決めた理由について次のように明かす。
柳瀬氏 「当社では旧来、表計算ソフトを中心に管理業務を回していましたが、事業の急成長に伴い、部品発注や在庫確認、入金確認などを高効率に行える仕組みが必要になりました。そうしたニーズにピタリと適合したERPがNetSuiteでした。特に、会計情報や在庫情報がリアルタイムに把握でき、経営指標がダッシュボードを通じて可視化される点が魅力でした」
さらに、icucoでは将来的に事業のグローバル展開も計画しており「その将来構想に向けた経営基盤を築くうえでも世界標準のERPであるNetSuiteを採用するのがベストと判断しました」と柳瀬氏は付け加える。
さらなる成長に向けた業務フローと経営基盤を確立
icucoで のNetSuite活用を支援したTANAAKK、HITSERIES事業本部の渡辺 彰彦氏によれば、icucoではNetSuiteを通じて部品・半完品・完成品の在庫状況を把握しているだけではなく、在庫状況に応じて部品発注を
自動的に行う仕組みも整えたという。
渡辺氏「icucoにおける成長の原動力は量産化の技術とノウハウです。それを生かしたプロダクト供給のフローを高効率に、かつ正確に遂行するためのシステムとしてNetSuiteは有効に機能しています」
NetSuiteは、経営予測におけるデータ解像度のアップや財務・経営レポートの正確性の向上といった効果ももたらしている。
柳瀬氏「icucoの場合、IoTセンサーなどのデバイスの生産を販売予測に基づく見込み型で行っています。ですので、NetSuiteによって販売予測の正確性がアップした意義は大きいと見ています」
と柳瀬氏は評価し、こう続ける。
柳瀬氏 「icucoのダッシュボードを使うことで多くの経営指標が可視化され、データドリブンの経営判断が迅速に下せるようになりました。NetSuiteの活用で当社の成長を支える業務フローと経営基盤が確立できたと感じています」
icucoでは2023年5月から、IoTセンサーや監視カメラを使って送迎バスでの保育園児の置き去りを防止する「icuco®eyes」の販売もスタートさせている。これは、内閣府のガイドラインに適合した装置だ。園児の乗車・降車記録とレポート作成を自動化・効率化する仕組みも備え、相当の需要が期待されている。
柳瀬氏「NetSuiteは、icuco®eyesのような新規事業を展開し、収益目標の達成に向けた計画を遂行するうえでも有効に機能してくれます。当社のようなスタートアップ企業が成長に合わせて活用できる最適なERPであり、経営基盤であると感じています」
OracleNetSuite2023Award受賞
本事例は日本オラクル株式会社NetSuite事業統括よりJapan RisingStarAward を受賞しています。
企業名 | icuco株式会社 |
所在地 | 愛知県豊橋市駅前大通一丁目135番地 |
資本金 | 1億7400万円 |
設立 | 2018年5月15日 |
代表者 | 代表取締役 柳瀬陽一 |
従業員 | 48名(2023年11月末現在) |
事業内容 | 生体情報予測AIを搭載した医療機器等IoT端末及びSaaSパッケージソフトウェアの設計、開発、製造、販売 |
URL | https://www.icuco.co.jp/ |
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icuco go live event
2023/5/15 @ MUSASHi Innovation Lab CLUE愛知県豊橋市